2013.06.07 のニュース
4月~6月期 石油各社業績悪化 市況低迷でマージン減少~原油高のコスト増分回収できず~
石油各社の4月~6月期の業績が悪化しており、市況は低迷し、原油高のコスト増は転嫁できず、販売業者のマージン確保が難しくなっている。原油CIF価格は、3月が約6万8000円/キロリットル、4月が6万7000円となり、これに石油税約2000円を加算すると、7万円程度となる。現在、原油処理を行なっている原油のコストは7万円であるが、ガソリン、灯油の業転市況は7万3000円~7万4000円であり、マージンが4000円程度となるため、精製コストを確保することが精一杯となり、販売経費は確保できず、逆ザヤとなる。ガソリン、灯油の系列仕切価格が7万9000円~8万円であれば、マージンが1万円となるが、精製・販売コストが目一杯である。そのため、4月~6月期の石油事業の業績は赤字が予想されている。
原油価格(ドバイ)のFOBは、2月が111ドル/バーレル(為替が94円/ドル)、3月が106ドル/バーレル(96円/ドル)、4月が102ドル/バーレル(99円/ドル)で推移している。
CIFは、3月が116ドル/バーレル(円/キロリットル換算が6万8000円)、4月が111ドル/バーレル(6万7000円)となり、高値となっている。
一方、国内市況は販売減により需給緩和となり、業転市況が低迷している。そのため、ガソリン仕切価格は4月~5月平均が3円70銭/リットル(JX日鉱日石エネルギー)の値下げとなっている。
本来ならば、原油価格が100ドル/バーレルに以上の高値で推移し、急激な円安によるコスト増から仕切価格の値上げが予想されたが、販売減に加え業転市況が低迷したこともあって、値上げは不発に終わった。
そのため、石油各社の業績は悪化している。前年4月~6月期は原油価格急落により在庫評価損が発生し赤字となったが、その後、原油価格が高騰し在庫評価益が発生し業績が改善となった。今回、平成25年度4月~6月期は厳しいスタートとなっているが、見通しでは7月~9月期での挽回は難しい。