2013.06.10 のニュース
ガソリン市況 連続下落 在庫増よりも減販が影響~不透明な需給実態に混迷~
製品需給は緩和して供給増となり、業転市況が低迷して、国内の末端市況も連続して下落している。在庫数量はそれほど多くないが、販売減による供給圧力から業転市場に売りが増えたが買いが入らず、業転市況が下落している。ガソリンの末端市況は、石油情報センターの調査価格(3日)の全国平均が151円60銭/リットル、前週比で10銭の値下がりとなった。これで値下がりは13週連続となり、連続記録を更新しそうである。四捨五入値では152円の横ばいが4週間続いておりここでの下げ止まりが見込まれている。3月の156円に比べ4円程度の値下がりであるが、毎週値下がりとなっているため、大幅な値下がりの印象となっている。石連週報の在庫も、ガソリン在庫は226万キロリットル(1日)で前週比横ばい、前年と比べて同水準となっている。灯油在庫は170万キロリットルで前週比では11万キロリットル増加となっているが、前年比では27万キロリットル減と低水準となっている。これらの数字も商社などの製品輸入の動向、各社間のジョイントの貸し借りの状況などが不明であるため、統計の数字に惑わされることなく冷静な判断が望まれる。
製品需給が緩和しており、業転市況が下落しているため仕切価格の値上げもできず、元売の製品マージンは減少している。そのため元売各社は4月~6月での業績赤字が懸念される。
予想外の販売減により供給が増加したため、売り急ぐ状況となっている。原油価格が100ドル/バーレルの高止まりとなり、加えて為替が100円/ドルの円安となったことで、仕切価格の値上げ必至の状況となったが、供給増のため業転市況が低迷し、仕切価格の値上げは不発となった。
原油価格は100ドル台が続いたが、為替の円安が急進したため、この円安分の転嫁が遅れたことがマージン減に繋がった。週決め価格改定は、据置きと小幅な上げ下げが続いたが、結果として末端市況は連続の値下がりとなった。業転市況の下落が影響したことになる。
仕切価格は据置きが続いたが、値下がりムードの局面では市況維持が精一杯であるため、値下げ競争が展開されることとなった。
元売としては需給を締めるしか方策がないが、減産で対応してもそれ以上の減販となったため、現在は打つ手がない状況にある。だが、6月を乗り切り、7月入りとなればガソリンの需要期になるため、増販による需給調整を期待することとなる。