日刊ニュース

2013.06.10 のニュース

儲けることに躊躇は不要

 コンプライアンス厳守がその大前提ではあるが、元売では取締役、そして執行役員が果たすべき最重要な職責は、収益を最良化して儲けることである。SS経営者の職責も同じだ。儲けることで株主の負託に応え、社員に報い、納税などにより国家と自治体に貢献し、さらに業容を拡大して雇用を増やす。
 原油は100㌦を挟む展開が続いているのに、為替が急スピードで円安に突き進んだかと思うと、次は急円高という、最近の株価と同じようなジェットコースターのような卸コスト変動が周辺で起こり、今週までSSは、丸3ヵ月に及ぶガソリン小売価格の下落に直面している。卸見合いよりもやや大きく、じりじり、だらだらと小売下落が続いた結果、収益力がどんどん落ち込んでいる。売れない、顧客がよそへ流れている、という類の恐怖観念に、まず元売子会社や大手販売業者、PB巨漢SSが踊らされて、周辺SSを広域に巻き込んでいく。大集団で崖まで暴走し、次々と海へと飛び込んでいき、みんなで溺れ死ぬというレミングの集団自殺の行為のように。
 元売も原油見合いで低空飛行に甘んじるガソリン卸市況の下落で疲労していたが、先週末から、いよいよ卸指標へのテコ入れを開始し、浮上への足掛かりにする気力が見えてきた。ただし、需給に対する厳格な収益重視を発動しない限り、人為的な市場良化策には限界があるだろう。それほどの悪意はないのだろうが、自らが振り出した業転玉が、ぐるりと回って、多くの系列SSを苦しめる元凶になる、という負の連鎖をやめることが重要だ。それこそが、系列SSに対する最大の支援だ。身の丈に合った生産量の元で、収益を最大化する道を歩んでほしい。
 空梅雨・好天の影響で、数量極小化への不安が幾分和らいでいるいまこそ、元売の卸市場へのテコ入れが始まったいまこそ、SSは13週連続の微落という負の連鎖から脱却する術を探るべきだ。
 そうして、糊口をしのぐような経営から脱し、社員家族に報いる。きちんとしたたたずまいでお客様を迎え、快適かつ清潔なセールスルームで商談をし、最新鋭の洗車機を備えたいではないか。本当の意味での経営者の本分を突き進んでいこう。儲けることでこそ、骨太に地域社会を支えて、頼りにされ、貢献し続けるSSの姿が輝くのだ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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