2013.06.13 のニュース
ガソリン 安値は底上げ 下げ止めから値上がりへ~元売、危機感募らせ市況対策~
ガソリン仕切価格は8日より、各社1円/リットルの値上げを実施したことから、末端市況は下げ止め、安値物に対しては底上げの動きが出始めてきた。前週(1日)の仕切価格は70銭値上げ、もしくは据え置きとなっていたが、これで仕切価格は値上げ基調となってきた。一方、原油価格(ドバイ)が100ドル/バーレルの横ばいで推移し、為替が98円/ドルと円安傾向に転じたため、国内のガソリン先物市況は74円/リットルと小幅な値上がりをみせている。石油情報センターの週動向調査(3日)の全国平均価格(参考値)は151円60銭となり、前週に比べると10銭値下がり、13週連続の値下がりを更新しているが、漸く底打ちとなりそうである。元売は、4月~6月期決算の赤字を挽回するために、今後、市況対策に本腰で取り込むことになる。
このところ、ガソリン仕切価格は据え置き、もしくは小幅な上げ下げを繰り返し、実質据え置き状態が続いたため、販売業者は最低限市況維持に努めていた。
今回、仕切価格が8日より、各社揃って1円/リットルの一斉値上げを実施したことから、末端市況はようやく下げ止めとなり、値上がりに転じることになりそうだ。
これまで、首都圏の街道沿いは150円/リットルを割り、145円~146円相場となっていたが、今回、小幅ながら各社一斉値上げによって、販売業者は周辺SSに対して牽制することなく、1円~2円引き上げに取り組むことが可能となった。
ただ、販売減から需給が緩和しているため、各地で価格競争が激化しており、本格的なユーザー転嫁は調整が付くまで多少遅れるとみるが、販売業者はこれまでの下げ過ぎ分を取り戻し、マージン確保に取り組む方針である。
一方、元売サイドは、各製油所が定期修理に入っているにも関わらず、需給が緩和傾向となり、市況が下落しているため、強い危機感を募らせており、今後、需給を調整して値取りに取り組む方向にある。