日刊ニュース

2013.06.17 のニュース

ガソリン市況は下げ止めへ -ようやく需給調整の方向にー

石油情報センターの調査(10日)によると、ガソリン価格は全国平均151円60銭/リットルとなり、前週比横ばいとなった。同じく軽油も131円80銭で横ばいとなり、いずれも連続値下げから下げ止めとなった。ガソリン、軽油の仕切価格は、8日(土)から1円の値上げとなったため、一部地域では値上がりとなった。だが、これまでの下落基調によって値下がりとなった地区もあり、相殺されて平均では横ばいとなった。
この調査は、毎週月曜日に実施されており、販売業者の多くはユーザー転嫁を火曜日以降としているため、調査結果に値上げが反映されるのは次回となりそうである。
また、1円の仕切価格の値上げではユーザー転嫁が難しいとの見方もあり、販売業者が負担するケースも多い。ただ、連続して値下がりとなりマージンが減少してSS経営が厳しくなっており、このあたりでユーザー転嫁に取り組む方向で足並みが揃う状況となってきた。
原油価格(ドバイ)は100ドル/バーレル台で推移しているが、為替が100円/ドルを割っているためコスト変動からみると微妙なところである。ただ、先物、業転市況も値上がり基調となっているため、末端市況も値上がりできる状況となってきた。
元売もコスト割れ状況から市況を是正するため減産対応の方向となり、石油連盟週報でもガソリン在庫(8日)は、前週に比べ7万キロリットル減の219万キロリットルとなり、220万キロリットルを割っている。6月は製油所の定期修理の時期のため減産となるが、今年は1月~3月で予想外の減販となったことから需給が緩和したため、業転市況が下落するなど混迷した。その結果、4月~6月はコスト割れで元売は赤字となり危機感が強まっている。ただ、ガソリン需要も回復の兆しがみえていることで、在庫調整の時期となってきたようである。定期修理の時期であるが不需要期であるため需給が緩和するケースもあるが、コスト割れが長期供給にわたる異常な状況である。
ようやく需給が調整されてきたが、石油業界としては高い代償を支払う結果となったようである。原油価格は100ドルを超える高値が続き、為替も100円/ドルの円安となりダブルのコスト高となったが、その時期に減販で供給増となり、値上げの時期に値上げができず、逆に値下がりとなっため、業績は一気に悪化したことになる。
元売は3月期決算では下期で業績が回復して、まずまずの数字となったが、今年の4月~6月は赤字となり業績は急降下している。
需給緩和の影響は販売業者にも及び、ガソリン市況は急落した。仕切価格は据え置きが続いたが、末端市況は140円割れの安値が横行した。安値は136円~138円となり、系列仕切価格より安値での販売となった。そのため業転市況と系列仕切価格との価格差が拡大しており、全石連は、価格差の是正を自民党石油流通問題議員連盟に要望した。参院選での協力もあって、政治ベースで業転と仕切価格との価格差問題に取り組むことになった。
その最終報告が25日にも提出されるが、ようやく市場安定化の動きとなりそうである。元売も業績悪化で危機感を強めており、需給調整を図る動きが出てきそうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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