2013.06.25 のニュース
調査価格 連続値下がりに終止符-値上がりに転じるが、これからが本番-
石油情報センター調査のガソリン価格(17日調査)は、全国平均で151円90銭/リットルとなり、前週に比べて30銭の値上がりとなった。僅か30銭の値上がりであるが、実に16週ぶりの値上がりとなった。銭単位の数値は参考値として発表されるが、四捨五入した平均値は152円となり、5月~6月は横ばいとなっている。週単位でみると14週連続で値下がりが続き、下落傾向となっていたが、ようやく連続値下がりに終止符を打ち、値上がり局面となってきた。だが、これからが本番となる。
調査価格では3月から値下がりが続いており、市況急落の印象を与えているが、下落幅は僅かであり、5月~6月の調査価格は横ばい推移となっている。
軽油は131円80銭で20銭の値上がり、灯油は97円60銭で10銭の値上がりとなり、これも16週ぶりの値上がりとなった。
ガソリン市況は3月に156円であったものが、6月に152円となり、この間に4円値下がりした。また、週単位でみると10銭~20銭の小幅な値下がりが続いているが、5月~6月は152円の横ばいとなっており、安定して推移しているとの見方になる。しかし、この間、需給緩和で業転市況が下落して、元売、販売業者はマージンが減少、共に業績は悪化している。また、円安が急進したため、本来はコスト増分を値上げする局面であったが、業転市況に連れて末端市況が下落したため、未転嫁となったことで、業績悪化に拍車をかけたことになる。
この週動向調査は現金価格となっているため、実際のSS店頭での販売価格に比べると高値となっている。SSでは、現金会員、カード会員、クレジット価格、掛売など価格設定が多岐にわたっており、これらは現金価格に比べ割安となっている。だが、市況の目安としては定着しており、価格設定の資料として活用されている。マスコミでも、この調査価格の変動(上げ、下げ)を報道するため、市況対策の取り組みに活用されるケースもある。
調査価格は月曜日に調査して水曜日の発表となる一方、仕切価格の改定は、金曜日に発表して土曜日から実施となる。その際、値上げ局面では、SSに安い仕入れの在庫が残っており、また、周辺SSの動向を探りつつユーザー転嫁のタイミングを計るため、実際の値上げは火、水曜日と遅れる。そのため月曜日の調査では、値上げ前の価格となっており、調査価格への反映が1週遅れる。その結果、調査価格とSS店頭の表示価格との間には2円~3円の価格差が生じる。ただ、調査価格が値上がりに転じれば、販売業者サイドもユーザー転嫁に本格的に取組むケースも多くなっており、ユーザー転嫁の足並みが揃うことになる。
17日の調査価格では、東京が153円、神奈川が150円、千葉、埼玉が148円と小幅であるが値上がりしている。しかし、首都圏の街道沿いでは145円~146円の安値となっているため、仕切価格が8日から1円値上げされたことを機に、ボトム価格を148円に引き上げることを狙いユーザー転嫁に取り組んでいる。2円~3円底上げすることになるが、そのためには需給が締まり、業転市況が値上がりすることが必要条件となる。