日刊ニュース

2013.06.26 のニュース

石連税制要望 非製品ガスの税還付-車体課税代替で石油諸税の増税反対-

 石油連盟は21日の理事会で26年度の税制改正要望を決めた。昨年度の要望とほぼ同じ内容で、①製油所内で発生する非製品ガスに係わる石油石炭税還付制度を創設する、②消費税と石油諸税の調整、とりわけTAX ON TAXを排除する、③石油諸税のさらなる増税に反対する、④車体課税減税の代替財源確保としての石油諸税の強化には反対する、⑤森林吸収源対策の代替財源確保としての石油諸税の税収転用や新創設に反対である、などの方針となっている。今後は8月の26年度要求案、年末の最終決定に向け、政府、自民党に要望運動を展開する。
 25年度税制改正は、昨年末に政権交代があり、自民党・公明党との連立による税制改正は今年1月24日に決まった。短期間での決定となったため、時間切れとなり、26年度に持ち越しとなった。要望項目となった、①製油所内で発生する非製品ガスの石油税の還付制度の創設、②自動車業界が要望している車体課税の軽減財源を石油諸税の増税(ガソリン税など)に求めることの阻止、などがそのまま持ち越しとなり大きなヤマ場を向かえる。
 製油所内で発生する非製品ガスに係わる石油税の還付制度の創設は、非製品ガスは、原料にも製品にならず、自家用燃料として消費しており、本来、石油税を課税(120円キロ/リットル相当)すべきではない。欧米主要国で課税している国はなく、わが国製油所の競争力強化の観点から還付を要望しているものである。自民党税制調査会の税制改正でも審議され「長期検討項目」となり、最終的には「引き続き検討する」ことで先送りとなったが、26年度では認められる公算が強い。
 同じく昨年、急浮上したのが、車体課税軽減の代替財源確保として石油諸税の増税によって財源を求める案である。自動車業界が車体課税の軽減を要望しており、当時の民主党政権も賛同したため、昨年9月の税制改正でも、車体課税の減税・廃止が織り込まれ、その方針が決まった。しかし、軽減・廃止に伴う財源問題は、先送りとなっているため、その財源は石油諸税の増税(ガソリンなど)が狙われるのは必至であり、増税反対で運動を展開している。
 財務省は、車体課税を軽減するが、その代替財源を前提条件としているため、自動車業界と石油業界との対立になりかねない。昨年11月14日には、総選挙直前に石油連盟、全石連が共同で石油諸税のさらなる増税反対決起大会を開催しており、今年の年末には再び、代替財源を巡って、攻防が展開される。
 車体課税が軽減に伴うガソリン税の増税によって、結果として自動車ユーザーの負担は軽減されず、「車を買っても乗るな」ということに等しい。とくに他の交通機関の少ない地方にとっては、ガソリン税の増税は家計の負担を強いることになるとして反対運動を展開するが、自動車産業の要望であるため、政治力では石油業界は厳しい状況にある。
 同じく森林吸収源の財源確保策として石油諸税の転用や新税創設の案が農水省から温暖化対策(CO2削減策)として出ている。この案は従来から提示されている問題であるが、森林対策費用を石油消費者のみが負担することは不公平であるとして反対している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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