2013.06.28 のニュース
ガソリン 取引実態まとめる 系列店に業転玉購入を制限 公正な競争環境の観点から不適切と指摘
公正取引委員会は25日、ガソリン流通市場での取引の実態調査をまとめた。それによると、①元売が系列特約店、とくに一般特約店にとって相対的に高い仕切価格を設定し、その仕切価格の設定に当たり十分な情報の開示や交渉が行なわれていないこと、②自社が精製したガソリンを商社に販売し、それが安価な業転玉としてPBSSに供給されている一方で、系列特約店に対しては業転玉の購入・販売を制限していること、③これらの行為は取引上優越した立場にある元売が、一般特約店に対し、一方的に競争上不利な取引条件を課しているおそれのあるものであり、ガソリンの流通市場における公正な競争環境を整備するという観点からみて不適切であること、以上を指摘した。今後、公取委として、ガソリンの流通市場における公正な競争環境を整備するという観点から、関係者間での適切な対応を促す必要があるとまとめている。
ガソリン市場における取引をみると、系列玉と業転玉について、元売が系列ルートで販売しきれない量のガソリンを商社等に販売している。
平成23年7月から平成24年6月まで元売が販売したガソリン5184万キロリットルのうち系列SS向けは、元売のガソリン販売数量全体の80.7%となる。
一方、元売が系列SS向け以外に販売したガソリン1002万キロリットルのうち46.4%に相当する465万キロリットル(元売のガソリン販売数量全体の10%程度)は商社に販売された後、業転玉として、主としてPBSS等に販売されている。
仕切価格の設定について、ほとんどの元売は、系列特約店向けの系列玉に対し、製油所出荷ベースの指標基準価格、物流費、販売関連コストおよびインセンティブを代入することにより、仕切価格を算出している。このうち、物流費および販売関連コストについて多くの一般特約店は開示を受けていない。
特定の地域および期間における系列特約店向けの仕切価格について、最も大きな価格差がみられた元売の系列では最大で6.9円/リットルの開きが認められる。
系列特約店等における業転玉の取扱いの制限について、系列SSでは自社または自社の系列特約店を通じて供給を受けた自社のガソリンのみを販売することを義務付けている。このため、系列特約店は、自ら運営するSSにおいて、特約店契約を結んでいる元売以外の事業者からガソリンを購入することが不可能となっている。
系列特約店であり同一の元売から系列玉も業転玉も仕入れている商社において、系列玉の仕切価格は業転玉に比べて平均3.8円/リットル高いことが認められている。
以上の調査の結果、ガソリン市場での系列玉と業転玉との価格差是正が最大の急務となっている。