2013.06.28 のニュース
流通議連 元売ヒアリングで具体策出ず-規制のあり方、議員立法も検討-
自民党石油流通問題議員連盟(会長は野田毅税制調査会会長)は25日、議員会館で、全国の石商から役員を招き、販売業界の問題点を検討する4プロジェクト(支援制度、業転価格差、廉売、年金)の中間とりまとめ報告が行なわれた。
焦点どなっている系列玉と業転玉との価格差問題では、先週実施した元売ヒアリングについて「主要元売各社を個別にヒアリングを行なった。しかし、各社において、この現状を改善しなければならないという問題意識は一部元売を除いて総じて希薄であり、改善に向けた具体策は出てこなかった」と報告している。ヒアリングが短時間であったこともあり、元売との間に問題意識のズレがあったと受け止められるが、個々の商取引きの問題でもあるため、議連としては「まず関係者間での適切な対策を促すとともに、ガソリンの流通市場における事業規制のあり方や関連法規の運用においても引き続き検討していく。その上で、必要に応じて議員立法を検討していくこととする」との取組み方針を示した。議員立法による規制措置となると、現在の自由化の流れの中で実際に成立できるか、懸念する意見も出ているが、しかし、その意気込みに期待する意見も少なくない。また、「元売の供給過剰体制の是正と業界全体の構造改革のための政策的対応を政府に強く求めていく」ことを加えている。
全石連、油政連が支援する自民党石油流通問題議員連盟は、今年3月に、「一木会」と「ガソリンスタンドを考える会」が一体化して発足したもので、参院選までには、解決に向けて最大限の努力をするとして、①業転玉と系列玉との価格差の解消を実現する、②価格差の解消のために業転流通実態を解明する、③SSを公共インフラとしてエネルギー基本計画の中に位置づける、④過疎地対策に取り組む、などの方針を打ち出し、6月13日の全石連札幌総会でも25日には中間とりまとめの発表を確約していたものである。参院選(7月21日予定)に対する選挙協力を条件にしており、急いでのとりまとめとなった。元売に対してヒアリングを行なうことで、業転流通の実態把握を狙ったが、個別の問題となるため、実効ある回答を得ることが難しかったようだ。
この業転との価格差、商標問題は、過去にも提起されているが、常に先送りされており、独占禁止法の運用と係るため簡単には対処できない。また、資源エネルギー庁が価格設定に対して行政介入することができずにいたが、公正取引要員会の流通実態調査、自民党による支援など、問題解決に向け一歩進んだことになる。元売と販売業者間の商取引問題となるため、まず、元売の姿勢が問われるところであるが、元売サイドにも仕切価格の体系を見直しする動きが出ている。
公取委が、同日発表した、ガソリン流通実態調査のまとめでは、元売が商標権を理由に系列店に対して業転玉の購入を制限している問題について「優越した立場にある元売が一般特約店に対して、一方的に競争上不利な取引条件を課しているおそれがあるものであり、ガソリンの流通市場における公正な競争環境を整備するという観点からは適切ではない」とする指摘を掲げている。