日刊ニュース

2013.07.08 のニュース

セルフSS撤退多く微増が続く-ガソリン需要減で投資も減少-

 平成25年3月末のセルフSS数は8862ヵ所となり、前年同期が8596ヵ所であったため、1年間で266ヵ所の増加となった。増加数は23年度が147ヵ所、22年度が153ヵ所となっており微増の傾向が続いている。全国のSSが3万7743ヵ所であるため、セルフ比率は23.5%(前年は22.7%)で、前年比0.7ポイントの上昇となった。
 セルフSSは平成10年4月から解禁となり、当初は普及に時間がかかったが、13年度末には1353ヵ所、14年度末には2523ヵ所、16年度末には4104ヵ所となった。18年度末には6162ヵ所、19年度末には7023ヵ所となり、年間約1000ヵ所の増加となった。21年度末には8299ヵ所と8000ヵ所を超えたが、その後は増加率が鈍化傾向にある。
 セルフSS数を県別でみると愛知が561ヵ所でトップ、ついで北海道が466ヵ所、埼玉が457ヵ所、神奈川が413ヵ所、千葉が407ヵ所、兵庫が383ヵ所となっており、少ない県は山梨の64ヵ所、沖縄の72ヵ所、福井、島根の74ヵ所となっている。セルフ比率は神奈川の35%でトップ、最低は山梨の13%となっている。
 セルフSSの参入、撤退の動向をみると、24年度の撤退が96ヵ所、参入は362ヵ所となり、相殺すると266ヵ所の増加となっている。解禁から今日までの参入は9758ヵ所あったが、撤退も896ヵ所あり、相殺すると8862ヵ所となる。将来は9000ヵ所に達するとみられるが1万ヵ所に届かず伸びが鈍化するとの見方もある。
 このようにセルフブームは一巡しており、大幅な増加は難しい状況にある。その要因は、①セルフ間の競争激化で撤退数が増加、②ガソリン霊要も年率1.7%減と減少傾向が続くためセルフの増加による増販が期待できない、③セルフを増やしてフルサービスSSを減らすという効率化の戦略も頭打ちとなってきたなどの点が指摘されている。
 一方、将来的には燃料電池車、電気自動車の普及も見込まれ、これらを対象とした次世代SSの建設も模索する時期にきており、SS投資の方向性を検討する段階にある。元売ではセルフ優先からフルサービスSSを見直す動きも出ている。
 セルフSSによる販売数量は増加しているが、マージンの減少によって設備投資に対する回収が遅れているため採算性が悪い。そのため元売の長期戦略による投資は、石油化学分野、精製設備の高度化、石油・ガス資源開発、などの海外プロジェクトを優先しており、SS投資は、ガソリン需要減が明確となっていることから控えられている。
 これまではセルフを増やしてガソリンシェアの拡大を図ってきたが、ガソリンの需要が減少傾向を強めるなど構造変化から投資は減らしている。一方では、SSの減少で過疎化問題が提起される状況にあり、セルフSSに投資しても採算が見合う地域も無くなっている。それでもシェアを維持するには、大手販売会社を買収することでシェアを拡大する動きをみせている。このような動きの中にあって、セルフSSの運営は、ますます元売販売子会社が多くなり、販売業者がセルフを新設するケースはなくなっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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