日刊ニュース

2013.07.09 のニュース

大幅卸高に追い付こう

週ごとのコスト変化を算定して、その週末から卸価格に反映させる。この法則から、やや距離のあるところで、先週末に卸指標の大幅引き上げがアナウンスされた。
 先週末の卸コストの変化は、値上がりしたとはいえ、原油では㍑1・5円前後の値上がりしか見出せない。製品ごとの卸指標に至っては、金曜日を除いては、ほとんど微動だにしていない。
 原油見合いで製品卸市況が鈍い展開となったことで、元売の収益環境は、これまでに大きく毀損していたのは事実だ。最近の円安で円建ての海外市況が高騰したのに対し、国内卸市況が低迷していたことも発見できる。国内卸市況に大きな影響力を有していた卸指標の一つが、この6月からリニューアル・仕切り直しされたことに続き、底割れしていた卸市況の補強・格上げが施されたのが、先週末のガソリン3円値上げ通知なのだろう。
 なぜ3円高なのか、という詮索は後事にすることとし、SSは速やかに、この卸高を完全にキャッチアップしたい。週末に大幅値上げし、週半ばで半値下げを繰り返した卸指標もあるが、この3円高が今週、途中値下げされる可能性は極めて低いだろう。今週末の原油コストも、1・6円程度の値上げが起点となっているから、遅かれ早かれ、SSには最低限、累計3円高という卸通知が到来する可能性が高い。
 小麦や大豆などの穀物高による食料品、そして紙製品など、この7月は円安による各種値上げが続いている。円安=ガソリン高という報道も多くなっている。現実にSSも元売も、円安・原油高という宿命の中で生きている。コストがあげれば、その転嫁をお客様にお願いし、ご負担いただくしか術がないのだ。
 SSの数量的な書き入れ時は、7月と8月の夏商戦、そして師走の12月年末商戦だ。わずかな例外はあっても、最多は8月、第2位は7月か12月だ。
 元売がいよいよ底割れ業転市況の修復に踏み出したであろういま、西の方から梅雨明けが宣言されるであろういま、SSは卸価格を見失ったままの小売価格で、夏商戦の本番に突入してはならない。元売がそうであるように、我々もいま一度、今日の卸価格と、今日の小売価格を再確認し、そこにある粗利を適正なレベルに保つことが、経営の保持と同義となる。

提供元:全国石油商業組合連合会
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