日刊ニュース

2013.07.16 のニュース

原油高騰 需給環境が改善 仕切価格が値上げ基調に~夏場商戦を迎え市況対策~

原油価格の高騰により、ガソリン仕切価格が値上げ基調に転じてきたことから、ガソリンの需給環境が大きく改善されることとなった。石連週報(6日)では、ガソリン在庫は209万キロリットル前週比9万キロリットル減となり、これまでの220万キロリットル前後と比べると大幅在庫減となってきた。在庫数量の変動は、各社の販売方式によって大きく左右されるものであるが、確実に需要が活発化しているようにみえる。現在、原油高、円安によるコスト増により、各社の業績は回復傾向にあり、これから夏場商戦のピークを迎えるにあたって、本格的な市況対策に乗り出すものとみる。
 ガソリン仕切価格は6日から、各社一斉に3円/リットルの値上げを実施した。これまでの仕切改定では各社にバラツキがあったが、このところ足並みが揃い、各社の思惑が一致したことになる。
 この結果、各社はこれからの夏場の需要期に向けて、マージン確保のため、本格的に市況対策に取り組む方向となってきた。
 一方、原油価格は、エジプトの政情不安を背景にして、10日のWTIは106ドル/バーレル台と一気に3ドル近い値上がりとなった。これにより、107ドルのブレントとは1ドル差、103ドルのドバイとは3ドルも上回ることになった。
 昨今の原油価格は、WTIが先行して値上がりする動きをみせている。WTIとブレントとの価格差は、2月~3月頃は15ドル~20ドル拡大していたが、今回一気に縮小となった。
 今後の原油価格は、アメリカのシェールガス・オイルの増産によって、価格が押し下げられる可能性を残しており、また、中国、インド経済の減速化も価格変動の大きな要因となっているため、見通しが難しい。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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