日刊ニュース

2013.07.18 のニュース

ガソリン155円相場へ ユーザー転嫁が本格化~元売、業者ともマージン確保~

ガソリンの仕切価格は、6日からの3円/リットル値上げ、13日から2円の値上げを受けて、販売業者はこれから本核的なユーザー転嫁に取り組む。首都圏の街道沿いSSではボトム155円~156円を狙う。6日から第1弾のユーザー転嫁が実施されており、153円~154円相場となっていたため、さらに第2弾として2円以上の値上げを行なう。連日の猛暑によりガソリン販売は好調であるため、第2弾のユーザー転嫁は、これから本格化する。2週間で5円という大幅な値上げであるためユーザーの反発は強いが、元売サイドは同一値上げ幅で足並みを揃えており、値取りを優先する構えにある。元売の4月~6月の業績は市況下落で赤字となったが、7月以降で挽回する方針で臨んでいる。販売業者も同様に市況下落でマージン減となっており、ユーザー転嫁することで黒字回復を狙う。
 ガソリン市況は3月から値下がりが続いているが、原油価格はエジプトの政情不安を機に値上がりしてきた。為替も100円/リットル前後の円安で推移しており、コスト増となっている。原油価格が急騰しているため、ガソリンの仕切価格は2週累計で5円の大幅値上げとなった。石油情報センターの調査価格(8日)では全国平均が153円となり、前週に比べ1円の値上がりにとどまっているが、16日(火)の調査結果では値上がりが見込まれる。
 仕切価格の値上げは土曜日から実施となるが、ユーザー転嫁は即日実施とならず、火、水曜日と遅れる。これはSSタンクに値上げ前の安値在庫が残っており、周辺SSの動きを見て対応するためである。だが、仕入段階ではすでに値上がりしたガソリンを購入することになるため、即日(土曜日)からユーザー転嫁しなければ販売業者が値上がり分を負担することになる。逆に値下がり時期は、仕切価格の値下がりを先取りして値下げするケースが多い。「値下げは早く、値上げは遅い」という商慣習は、改めるべきであるとの指摘があるが、これはなかなか改善されないようだ。
 一方、ガソリン市況が150円を超え155円相場となると販売減少が懸念される。今年1月~2月に156円相場という高値となったが、その際は大幅な減販となり、市況が下落することとなった。だが、7月に入り連日の猛暑により販売は好調であるため、ユーザー転嫁は、浸透しそうである。高値感は残るものの原油高となり、需給も締まり在庫も減少してきたため、業転市況が値上がり、ユーザー転嫁の環境は整備されてきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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