日刊ニュース

2013.08.05 のニュース

ガソリン増販が続く-160円相場で今後の販売動向を注視-

 石油統計速報によると、6月のガソリン販売450万キロリットルで前年同月比1.4%増となった。4月以降、6月まで増販傾向が続いており、7月も猛暑で好調である。軽油は復興需要もあって4月は5.2%増、5月が3.0%増、6月が0.4%増と増販となっており、7月も増販となっている。
 しかし、燃料油全体の6月販売1376万キロリットルで4%減となり、5ヵ月連続の減販となっている。落ち込みが大きいC重油は145万キロリットル、30%減となっている。とくに電力用の大幅な減少が続いている。電力需要の減少もあるが、一部の原発が再稼働したことに加え、石炭火力の増加もあって、石油火力は減少となってきた。10電力の重油の受け入れは、5月が45%減、6月が36%減となり、大幅な減少が目立っている。
このC重油の落ち込みが、製品需給に大きな影響を与えると懸念されている。
 ガソリンの販売はプラスに転じており、7月は猛暑のため3%程度の増加が見込まれており、8月も天候次第で増販が期待される明るい見通しとなってきた。4月販売が449万キロリットルで0.5%増、5月が463万キロリットルで1.2%増となり、6月も450万キロリットルで1.4%増、4月~6月では1%強の増販となっている。
 1月~3月が5%弱の減少となったことに比べると、4月~6月の増販傾向は、販売業者間に明るい見通しを与えている。1月~3月の減販は、2月販売が前年が閏年であったため6.7%減となったこともあるが、前年が高水準であったことの反動もある。4月は需給が緩和して市況も下落するなど混乱した。
 そのため4月以降の販売動向が懸念されたが、アベノミクスの効果により景気回復の兆しがみえ始め、個人消費も増加傾向にあり、ガソリン販売はプラスに転じてきた。ただ、ここにきて豪雨の被害が出るなど、道路事情の悪化によって車の利用が減少することになれば減販となる。車も省燃費車が増加しているため、猛暑となっても大幅な増販は見込めず、市況立て直しでマージン確保を優先する対策が望まれる。
 7月以降、ガソリン価格が上昇しており、高値感からユーザーが買い控えすることで、販売が落ち込むことが懸念されてきた。ガソリン販売価格は、石油情報センターの調査(29日)では全国平均158円80銭となり、前週に比べて1円80銭の値上がりとなった。4週間連続の値上がりとなり159円相場となってきた。高値は鹿児島、長崎の164円、関東地区では静岡、長野が162円、東京が161円、神奈川は159円となり、160円台に乗せている。
 全国平均価格は7月初めに152円であったものが、159円と7円の値上がりとなっているが、7月での仕切価格は累計8円50銭となっており、未達分を残していることから、次週調査でも値上がり見込まれている。その結果、実質160円相場となるため、ユーザーが買い控えすることが予想される。この高値による販売減を懸念することはないとの楽観論もあるが、減販となると、安値で増販を図る動きが出てくるため市況対策は難しくなる。
 猛暑ともなれば8月も増販が期待されるが、160円相場となる今後の販売動向を注視する必要がある。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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