日刊ニュース

2013.08.06 のニュース

石油事業はマージン減で赤字-石化、石油開発が黒字でカバー-

 JXホールディングス、コスモ石油の4月~6月決算が発表となったが、石油事業(石油製品)は赤字という厳しい状況となっている。前年原油価格の下落により在庫評価損が発生したこともあり、大幅な赤字を計上した。一方、石油化学、石油開発が黒字となったことで連結経常利益では黒字となった。
 JXHDの連結売上高は2兆7738億円で前年同期比8.7%増、経常利益は725億円(前年は383億円の損失)となり、前年同期比1108億円の増益となる。うち、在庫評価益が308億円あり、在庫影響を除くと417億円(前年は392億円)で25億円増となる。原油価格(ドバイ)は103ドル/バーレル(前年同期は116ドル)、為替は99円/ドル(80円/ドル)で推移した。
 経常利益をセグメント別でみると、エネルギー事業が261億円(前年は909億円の損失)となった。うち在庫評価益が294億円あり、これを除くと33億円の損失となる。エネルギー事業のうち「石油製品」は257億円の損失(174億円の損失)となっている。「石油化学」の経常利益は224億円(31億円)で193億円の増益となっている。「石油製品」は円安によりコスト増となったが、需給が緩和して国内の製品市況が低迷したためマージンが悪化して赤字となった。これに対して「石油化学」は、パラキシレンの価格が堅調に推移したことに加え、米国のベンゼン価格の上昇もあり好転、海外市況が堅調に推移したことで増益となり、「石油製品」の赤字を相殺して「エネルギー事業」は黒
字となった。
 「石油・天燃ガス開発事業」の経常利益は、310億円(前年は366億円)で56億円の減益となったが、想定した利益を確保した。油価は、前年に比べ下落したが、100ドル/バーレルに台の高値で推移、円安による増益が見込まれたが販売数量が減少した。
 「金属事業」の経常利益は101億円で前年比20億円の減益、「その他」が53億円で14億円の増益となっている。
 コスモ石油の連結売上高は8223億円で前年比で666億円の増収、経常利益は39億円(前年は219億円の損失)となり、前年比で258億円の改善となった。在庫評価損が2億円あり、在庫影響を除くと41億円(6億円の損失)となり、47億円の改善となる。
 石油製品市況は低迷しマージンが減少したが、千葉のトッパー1基が再稼働したことで輸出が再開するなど収益力が回復したこと、HCPの新設BTXの稼働による増販と市況が好調で推移したことが、収益の改善に結びついた。
 セグメント別でみると「石油事業」は、経常損失が129億円(前年は388億円の損失)となり、損失幅が圧縮され前年比では259億円の改善となった。在庫影響除きでは127億円の損失(175億円の損失)であるが、48億円の改善となる。
 「石油化学事業」の経常利益は19億円(11億円の損失)で30億円の増益となった。
 「石油開発事業」は120億円(177億円)で57億円の減益となった。これは生産トラブルによる数量減が影響。石油事業は赤字であるが、石油化学、石油開発の黒字でカバーして連結では黒字となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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