日刊ニュース

2013.08.08 のニュース

ガソリン値上げ浸透も-HCなどとの価格差は残る-

 ガソリンのユーザー転嫁が浸透しており160円/リットル相場となりつつあるが、HC、量販店の販売価格は148円~150円となっており、10円程度の価格差が存在している。この価格差は、業転と系列仕切価格との5円程度の仕入価格差に加え、HCなどはマージンが5円程度で販売が可能であるという競争力の差から生じている。一般特約店のSSは、フルサービスSSとなるため、マージンは最低でも10円か必要であり、HCの5円に比べると5円高となる。仕入は業転玉を購入するため5円は安い。そのためHCなどは、一般のSS(フルサービス)に比ベマージンで5円、仕入で5円の計10円という安い販売価格が設定できる。結果的にはHC、ノンブランド(無印SS)、PBSSなどは、一般SSに比べて10円安で販売することが定着していることになる。
 業転と系列仕切価格との価格差は、7月には毎週土曜日から仕切価格が値上げとなったことで、業転玉が先行して値上がりするなど、業転との価格差が縮小したことで改善がみられたが、8月に入って仕切価格が据え置きとなり落ち着きをみせると、業転と仕切価格との価格差は4円~5円で安定する。現行の値決め方式の基本は業転リンクとしているため、業転玉が仕切価格を上回るケースはない。あるとするならば、需給が逼迫して市場が混乱した場合のみとなる。
 この業転と仕切価格との価格差が4円~5円あることは、公正取引委員会によるガソリン市場調査でも明らかとなり、販売業者から価格差を是正する要請が出ている。各石商の調査でも、4円~5円程度の価格差は確認されており、元売サイドに対して仕切価格引き下げを以前から要望している問題である。元売も価格差を認識しており、その要因としてブランド料(販売関連コスト)として4円~5円をあげている。
 今回の公取委の調査では約4円という数字が明確となっているが、その内訳は宣伝広告費、品質保証(品質検査の免除)、安定供給などとなっており、いわゆる元売マーク(商標)の価値を表すものとして、特約契約にも織り込まれている。元売としては品質を保証した消費者保護を示しているもので、自社のマークを掲示したSSに、他社の業転玉を購入して販売するのを禁じている。商社などは元売各社から購入している玉を混合して、PBSSなどに販売している。業転玉といっても大半は元売が販売(出荷)した製品であり、元売間のジョイント(融通)、共同油槽所の利用が拡大されている現状においては、混合されたガソリンも自社製品として品質保証のもとに販売されているのが実態である。そのため、業転の購入を自由にすべきと販売業者は要望している。
 公取委の報告では「現行の値決め方式では、仕切価格が業転玉の価格を下回ることはなくなっている。元売が業転玉の扱いを一律に制限・禁止することは元売のブランド価値や商標権の観点からのものであっても、元売によって業転玉がPBSS等に対して安定的に供給されている。このことから特約店における業転玉の扱いを一律に制限、禁止するのではなく、特約店との間に一定のルールを策定する必要があると考える」との改善策をもとめている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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