2013.08.12 のニュース
ガソリン160円の高値相場に-販売減を懸念もマージン確保を-
ガソリン市況は160円/リットル相場となってきた。7月の仕切価格の連続値上げ(累計で8円50銭/リットル)を受けて160円相場は予想されたものである。だが、これから8月商戦のヤマ場に入るため、ユーザーが160円相場を高値とみて節約に取り組むのか、今後のガソリンの需要動向に影響を与えるのか注目される。
ガソリンの最高値は、2008年7月の原油価格急騰(WTIが145ドル/バーレル)後の8月に185円を経験しているため、高値を懸念することはないとの楽観的な見方もあるが、160円台が長く続くと減販が予想される。当時は10月には160円、年末には120円へと急落した。
この高値を機にガソリン価格の値動きが注目され、ユーザーも価格に敏感となり、安値SSを探して給油するとか、1回の給油で満タンにせず、金額か数量を指定して給油するケースも出てきている。販売業者も、これらの動きに対して、減販とみて、値下げするなど、あせることになるが、実需要は落ちていないこともあり、冷静な対応が望まれる。
販売数量は、天候に左右されるため、猛暑が続けば増販が見込まれる。販売業者は、増販を期待しながら、引続き市況対策に取り組むが、適正マージンを確保すべきである。8月はユーザー転嫁の仕上げの時期となる。
石油情報センター調査(5日)では、平均で160円10銭となり、前週の158円80銭に比べ1円30銭の値上がりとなり、5週連続の値上がりとなった。経済産業局別では、九州が163円で2円の値上がり、中部、四国が161円、関東、近畿、四国が160円と160円台に乗せた。北海道が158円となっている。
県別では高値が長崎、鹿児島の165円、関東では静岡、長野が163円、東京が162円、神奈川が160円に対して、安値は千葉の156円、埼玉の157円となっており、価格差が生じている。ユーザー転嫁の取り組みにバラツキがあり、地域価格差が散見するが、安値地区の値上がりに期待したいところである。
7月初旬の調査価格が152円であったため、160円相場では8円の値上がりとなる。仕切価格が7月から累計で8円50銭の値上げとなっているため、これに該当する値上がりとなり、ユーザー転嫁はほぼ浸透したことになるが、まだ未達となっている安値地区は、今後も底上げとなる。現状では、仕切価格の値上がり分を転嫁したことになるが、販売業者のマージン確保を狙うと、あと一段の値上げが必要となる。
ただ、8月商戦に入り、8月第1週の仕切価格改定(3日から)は据置きとなったことから、連続値上げが止まり、一服状態となったこともあり、様子を見ることになりかねない。これから旧盆商戦のヤマ場となるため、未達分の回収を狙った値上げか、市況を維持して増販を狙うか、二者択一の局面となるが、旧盆中は市況時事となりそうである。
足元の原油価格(ドハイ)も104ドル~105ドルの高止まりから小幅な値下がり、為替も97円~98円/ドルの円高となっており、コスト増の流れは止まってきたようである。原油価格、為替の見通しは難しいが、仕切価格は、据置きが見込まれている。そのため8月対策は、7月値上げが、一応、達成されたことになり、今後は、市況維持に取り組むことになる。