2013.08.20 のニュース
フォローアップを注目
元売が、系列特約店に対し仕切価格の設定について十分な情報の開示や交渉を行う環境を整えていないこと。元売が、自社が精製したガソリンを商社に販売し、それが安価な業転玉としてPBSSに供給されていながら、系列特約店にはその業転玉の購入・販売を制限しているということ。これらの行為について公正取引委員会が7月23日、「ガソリンの流通市場における公正な競争環境を整備するという観点からみて不適切である」と警告した。
本紙はその後、この公取委の指摘に関する販売業界の反応を詳細に取材してきた。また、全国の組合員の中から様々な運営形態の事業者をピックアップして、その報告書に対する評価や今後想定される影響などについてインタビューした(詳細は本紙8月9日付に掲載)。
業転玉と系列玉の価格差拡大による市場混乱に悩まされ続けている石油販売業者の多くが、この公取委の指摘を「その通りだ」と評価し、「これでまともな市場競争ができる」と期待を寄せている。
公正かつ公平な市場競争を指導する立場にある公取委が、明確に「不適切」と指摘したのであるから、元売はこれまでの仕切価格の決め方や業転玉の購入制限などの行為を改善しなければならないのは当然のことである。業界を所管する資源エネルギー庁も元売ヒアリングを強化するなどして、市場取引の適正化に向け取り組む方針だ。
石油販売業者にとっては仕切価格の決定方法や、系列玉と業転玉との格差がどうなるかなど、経営のあり方や市場競争の行方を左右する問題であるだけに、指摘を受けた元売が今後、具体的にどう改善するかが最大の焦点となる。
だからこそ、全国のSS事業者がいま注目しているのが公取委のフォローアップの行方である。「不適切」と指摘した事項に対する元売の今後の対応について、どのように点検し指導していくのか。
同時にその行方に強い関心を寄せているのが業転格差問題など石油流通の取引適正化に向け強いメッセージを発してきた自民党の石油流通問題議員連盟である。公取委が報告書を説明した日、議連の野田毅会長は「今後、具体的にどのように改善されるのか確認する。そのために議連がある」、さらに「我々はそれだけ腹をくくって臨んでいる。乗り出した以上、うやむやにさせるつもりはない」とクギを刺した。