日刊ニュース

2013.08.27 のニュース

増販、需給安定、値上げ浸透で-夏場ガソリン商戦は好調-

 7~8月のガソリン夏場商戦は、終わりに近づいたが、このまま好調に推移しそうである。7月入りから猛暑となり、そのまま8月も引き続き増販となっている。7月の大幅な仕切価格の値上げも浸透したことで、元売はマージンを確保、業績は回復の兆しがみえてきた。さらに円安効果で製品輸出が増加となり、需給が安定したことも好材料となった。
 今後は、夏場の増販の反動と高値によるユーザーの消費節約での減販も懸念される。販売業者サイドはユーザー転嫁が浸透したが、末端市況は横ばいと一服状態となっており、地域による価格差や、未達を残したSSもあるが、当分は市況維持に努めることになる。
 石油情報センターのガソリン調査価格(19日)の全国平均は160円/リットルとなり、8月初めから横ばいが続いている。160円相場といわれているが、この調査価格は現金価格であるため、SSでの表示価格に比べると高値となっている。東京は162円、神奈川が160円、埼玉が157円、千葉が157円となり、最高値は長崎の166円となっている。安値は首都圏の量販店、HCなど150円となっているが、さらに、会員割引き、カード割引きなどがあり、150円割れも散見する。街道沿いSSの表示価格は156~157円が大勢となっており、調査価格との間には価格差がある。販売業者サイドでは、調査価格はあくまでも統計上の目安であり、実際のSSでの販売価格を重視しているが、価格設定も掛売、現金会員、カード会員、キャンペーン割引きなど多岐にわたっている。SS店頭でもユーザーごとに販売価格が違い、表示価格が何種類にもなる多重価格にはユーザーからも批判が出ている。
 値上げ時期では、多重な価格表示は減少したが、販売が減少傾向を見せると割引き販売が復活するとも予想される。値上がりするとユーザーから批判が出るが、値下がり局面になるとSS間の競争で一気に値下がりすることが、石油業界の商慣習として残っている。ガソリンは市況商品であるため需給がタイトであれば値上がりするが、供給増になると業転玉が多くなり、価格競争が展開され急落する。また、差別化ができない商品であるため、どの元売のマークのSSでも品質は同じであり、品質が保証されているとの安心感がユーザーに浸透しているため、結局は販売価格が勝負となる。ユーザーも1円でも安いSSを選ぶことになり、安いセルフSSが優位となるため、フルサービスSSの不振が続く状況となっている。
 160円相場となったことから1回の給油で数量、金額を制限するユーザーも増えているが、走行中にガソリン切れで車が止まるというトラブルも発生している。
 元売は7月で原油価格の値上がり、円安によるコスト増の転嫁が急務という危機感が強まっていた。4~6月の石油事業(石油製品)の決算は市況が低迷したため、在庫影響を除くと赤字となっており、7月以降で黒字に転換することが命題となり、強気に値上げに取り組んだ。幸い、円安効果で石油製品輸出が増加したことから、需給も安定して推移したため値上げが浸透した。加えて猛暑でガソリン増販となったことも、好材料となった。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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