日刊ニュース

2013.08.29 のニュース

灯油高のガソリン在庫積み増しで荷動き出る~ガソリン下落で逆転へ~

東京商品取引所の先物市況は「灯油高とガソリン安」と逆転してきた。灯油が77円/リットル、ガソリンが76円となっている。シーズン入り前にして灯油在庫の積み増しなど荷動きが活発化してきたことになるが、9月になると灯油高が定着する。8月に入って仕切価格は据え置きと小幅な値下がりとなっており、ガソリンは値下がりしているが、灯油は下げ止めとなっている。東商取でも23日にはガソリンが79円、灯油が77円であったものが、ここにきて逆転したことになる。灯油は横ばいで推移しているが、ガソリンが下落した。仕切価格も小幅な値下がりとなったが、灯油の値下がり幅が少なくなってきた。ガソリンの末端市況も、旧盆商戦が終わったことから下落気味で推移している。街道沿いではボトム価格159円を維持している地区もあるが、セルフSSは151円も散見されており、150円台の攻防となっている。灯油は不需要期であるため荷動きが少ないが、販売業者も在庫積み増しに取り組む時期となり、先物、業転市況は値上がりとなってきた。
 今後、仕切価格が改定となるが、値上がりケースとなれば、灯油の値上がり幅が大きくなり、ガソリンは小幅となる。その結果、夏場の「ガソリン高の灯油安」から冬場の体系である「灯油高のガソリン安」に価格体系は移行する。例年、9月になると、灯油高の体系に変更するが、今年はそれが早まりそうである。冬場になると灯油高となるのは海外市況も同じであるが、灯油高となっても、販売数量はガソリンの方が圧倒的に多いため、ガソリンが値下がりすることは元売の業績には大きく影響する。
 灯油の販売は、昨年のピーク時12月には338万キロリットルであったが、ガソリンは516万キロリットルで、その差は178万キロリットルとなる。灯油が値上がりしても業績への影響は少ないため、ガソリン販売のウエイトは大きく、市況維持が重要となる。
 冬場になると灯油で利益が確保されるのは寒冷地に限定されるため、やはりガソリン市況が安定してマージンが確保されないと、元売と販売業者の経営は健全化しない。
 これから灯油シーズンに入るが、灯油の値取りも大切であるが、やはりガソリンもマージンを確保することが重要となる。都心部のSSは灯油の販売は減少しているため、冬場の灯油販売で一息つくということはなくなっている。夏場のガソリンの増販、マージン増が見込まれたが、今後は市況維持と減販を阻止する守りの経営に方向を転換する時期にきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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