2013.09.03 のニュース
系列SS支援・二の矢待望
先週末の卸指標は、最近の高値を更新した原油見合いで、当然のこととして大幅値上げが予見された。大勢は2・5円値上げアナウンスとなる中で、有力な2大指標について、その判断が大きく分かれた。片や先陣を切った2・5円値上げ、片や後発の据え置きというアナウンスだ。
この判断が、ここまで離反するのは過去、ほとんど見られなかった。ただし一部系列であっても、この決断がPB向けの業転値上がりを意味し、系列向け据え置きと額面通りに受け取るなら、系列SS支援という意味合いになる。系列の中でも、一般向けは据え置きだが、特価向けは市中価格に準じる、という解説をする向きもあるが、格差の解消を意図した判断であることは間違いないだろう。
旧盆明け以降、ガソリン内需は急ブレーキがかかったような停滞感を訴える声が日増しに大きくなり、この耐久戦の中で、系列・PBを問わず、地域の量販SSから、じりじりと小売り値下げによる市場さん奪手法が広がってきた。
ここから見える市場の本質は、内需が縮小する局面における量販SSの耐久性の弱さだ。500㌔㍑SSのほうが、100㌔㍑SSよりも早く、卸価格の引き上げが見えていたとしても、自らの値付けに自信を喪失し価格を下方修正し、実質的に、周辺一般SSから数量を奪う行為に走る。数量を確保することで成り立つ強者の論理だが、それぞれ系列を代表するような旗艦SSが複数立地するような地域で、こうした強者同士の競争が起こると、消耗戦を呈し始める。こうした激戦市場に、PB量販店があれば、小売市場はスパイラル降下を起こす。
猛暑による需要かさ上げが剥がれ落ち、市場縮小の宿命を負う国内市場にあって、500㌔㍑SSが700㌔㍑SS化することを欲し、700㌔㍑SSは1千㌔㍑SSとなることを欲すれば、SSも元売も業としてすさんでいく。生産者にすれば、こんなご時世に、自社製品をより多く、さらには前年比プラスを記録するようなSSには、多くを持って報いたい、と考えてしまうのだろうが、この考え方も修正すべきだろう。ガソリンも原則、一物一価を指向すべきである。せいぜい経済合理性の範囲内で数量は評価する。こうした思考で、内需縮減の国内市場に向けて、二の矢を射ってほしい。