2013.09.05 のニュース
ガソリン160円台乗せも~安値との価格差が拡大~
ガソリンの仕切価格は31日からJXが据え置き、出光、EMG、昭和シェルが2円50銭/リットルの値上げと、大きく分かれたためユーザー転嫁の取組みは難しくなっている。だが販売業者も、仕切価格2円50銭という大幅な値上げを無視できず、ユーザー転嫁となると3円以上となるため、末端市況は160円台に乗せることになる。首都圏の街道沿いでは、8月末で下落していたため、再び159~160円を狙うことになる。安値は150~152円となっており、150円割れも散見されるなど価格差が拡大している。さらに9月入りで販売数量が減少するなど厳しい状況が見込まれている。原油価格も変動しているが、業転市況は比較的安定して推移しているため値上げを後押しするムードも弱い。また、2日(月)の石油情報センター調査の結果(4日)も注目されるが、横ばいか、小幅変動で値上がりは難しいものとみられる。
仕切価格の改定は、据え置きと2円50銭の値上がりとに分かれた。原油価格の動向はシリア情勢が緊迫化しており、アメリカがシリアに対し29日に攻撃を行なうとの憶測が伝わったことで、27~28日には3~4ドル/バーレルの急騰となった。だが、イギリスが攻撃不参加を決め、アメリカも議会の承認を得ることになり、トーンダウンしてきた。その結果、原油価格も下落か横ばいに変わってきた。
31日からの仕切価格の値上げは、シリア絡みで値上がりを見込んだとの見方もあるが、そのためか業転市況の動きは弱い。その結果、値上がりムードは後退気味であり、様子待ちも多いようである。
だが、2円50銭の仕切価格の値上げを無視することはできず、ユーザー転嫁に取り組む動きも出てくる。31日の即転嫁は難しく、月曜日も様子待ちが多く、ユーザー転嫁は火、水曜日となるため、これからが正念場となる。そのため月曜日の石油情報センターの調査価格は、横ばいが見込まれる。8月下旬から市況は下落気味でありか、JXの仕切価格が値上げとなったことで、末端市況は下げ止めとなるとみられている。
ユーザー転嫁が本格化するのは来週に遅れることになるが、14~16日と21~23日と連休が2回も続くため、増販狙いの動きも予想される。元売もカード会員の囲い込みを狙って秋の増販キャンペーンでガソリン、軽油などの割引き販売を行なっており、値上げは難しい環境となりつつある。元売は仕切価格の値上がり分を回収することになるが、価格差が生じているため、強引に回収するのか、それとも調整するのか微妙な状況にある。