日刊ニュース

2013.09.05 のニュース

-ガラフ油田が生産開始-日本への輸入は明年1月頃中期計画の柱がスタート

 石油資源開発は2日、イラクで開発を進めていたガラフ油田で原油生産を開始したと発表した。開発はジャベックスガラフ(石油資源開発が55%出資)、PETRONAS(オペレーター)、イラク国営北部石油公社が共同で作業を進めている事業である。
 中期計画の海外プロジェクトでも柱であったガラフ油田での生産が始動する。中山一夫常務取締役は「ガラフ油田からの原油の日本への持ち込みは、我が国の原油の安定供給に貢献することを視野に販売方針を検討中であるが、明年1~2月頃の予定になる」と語っている。
 生産規模は3万5000バーレル/日でスタートし、当初計画からは遅れたが、以後、14年には10万バーレル/日、16年には20万バーレル/日と段階的に生産量を引き上げ、17年には目標の23万バーレル/日に達し、以降21年まで23万バーレル/日を維持する計画である。契約期間の累計生産量は約13億バーレルとなる。
 23万バーレル/日の油田規模は、イラクでは中型となるが、湾岸戦争後、中東で日本企業が初めて開発した巨大油田である。
 経産省も、ガラフ油田の生産開始に際して「JOGMECを通じ出資支援を行なうとともにイラク人技術者への研修支援を行なっており、生産開始は我が国のエネルギー資源の確保に貢献するものである。今後とも、資源の安定供給の確保の観点から資源外交の積極的な展開により資源国と関係強化を図るとともに、リスクマネーの供給により、我が国企業による権益獲得を支援する」とのコメントを発表している。
 ガラフ油田は、イラン南部のジカール県(ナシリアの北85キロメートル)に位置し、石油資源開発とPETRONAS(オペレレーター)が09年12月にイラク第2次国際入札で権益を落札、10年1月に開発生産サービス契約を締結した。
 開発生産サービス契約は、契約期間20年間(5年間の延長オプションあり)にわたる油田開発・生産操業に係わるサービス契約となる。鉱区、施設、生産物の全権利はイラクに帰属する。外資企業は技術サービスを提供し、コスト回収額、報酬額見合い額を輸出原油で受領するという契約となっている。最近では産油国も資源の帰属を強めており、開発生産サービス契約が多くなっている。生産が軌道に乗ればコストの回収がポイントとなるが、巨大油田であるため、今後の収益増に繋がるとみられ、期待されている。
 契約締結後は、11年3月には作業の基点となるべースキャンプを開設、同年6月から抗井掘削作業を開始、これまでに評価井2抗と開発井9抗の計11抗を掘削、生産設備が建設が完了して生産開始となったもの。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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