日刊ニュース

2013.09.09 のニュース

ガソリン、ボトム160円相場に-JXの据え置きは業転との調整か-

 ガソリン仕切価格の改定で、8月31日からJXが据え置きとしたが、他社が2円50銭/リットルの値上げとなったため、販売業者間で戸惑いも生じたが、ユーザー転嫁に取り組む方向となってきた。
 各社の仕切価格は、改定幅を数値で、毎週金曜日に通告(実施は土曜日)するが、その根拠は明らかにしていないため不透明である。一般的には原油価格、為替のコスト変動と業転市況にウェイトを置き、原油の先行きの見通し、他社の動向など総合的に判断して通告している。7~8月の仕切価格の改定は、各社の通告幅、据え置きの時期も一致していたが、今回31日からの改定では、据え置き、または2円50銭値上げとなったため価格差が拡大したことになり、販売業者間でも戸惑いが生じた。最大手のJXが据え置きとしたことから動揺が広がったが、大幅値上げであることからユーザー転嫁に取り組むことで足並みが揃った。
 今回のJXの据え置きについては、憶測であるが業転市況と系列仕切価格との間の価格差が生じており、ここで仕切価格を値上げすると価格差が一段と拡大するため据えおきとした、との見方も出ている。
 また、公取委のガソリンの取引調査の報告を受けて、仕切価格の体系を改定することで検討に入っており、業転と仕切価格との価格差を是正するため、先行して仕切価格を値下げしたのではないかとの受け止め方もある。JXは、仕切価格の改定を前提とした、算定方式(フオーミユラ)の変更は検討中である。
 一方、2円50銭の仕切価格の値上げは、シリア情勢の緊迫化により原油価格が上昇しており、今後も値上がりを予想、為替も円安に転じているため、コスト増を見込んだものとみられる。販売業者間でも、仕切価格の値上げを見込んでいたため、JXの据え置きは予想外であった。
 仕切価格の値上げを受けてユーザー転嫁となるが、末端市況は、首都圏の街道沿いではボトム価格160~162円を目安としている。だが、足元の市況は値下がり気味であることから、当面は160円となっている。8月も上旬は159~160円相場を狙っていたが、月末には156~157円に値下がりしており、今回のユーザー転嫁ではそれを160円に引き上げている。JXを除いた元売の仕切価格は2円50銭という大幅な値上げであるため、販売業者も負担することは難しくユーザー転嫁に取り組むことになり、JX系SSも同調した動きをみせている。
 石油情報センターの週動向調査(2日)では、全国平均が160円70銭/リットルとなり、前週に比べると50銭の小幅な値上げとなった。末端市況は、値下がり傾向を強めていただけに、今回の仕切価格の値上げを受けて反発して値上げとなった。その結果、38都道府県が値上がり、横ばいが7県、値下がりは2県となった。値上がり幅が大きい地域は、神奈川が2円30銭、和歌山が1円90銭、静岡が1円50銭、東京が1円20銭となっており、先行して値上がり。他の地域も今後値上がりするものとみられる。
 調査は月曜日であるため、実際のユーザー転嫁に取り組むのは火曜日以降とタイミングが遅れるため、値上がり結果が出るのは、次回(9日)の調査結果を待つことなる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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