2013.09.24 のニュース
業界一体で増税阻止を
前号本欄で来年4月の消費税増税によって、消費者への大幅な税負担の増加や、わが石油販売業界の税額転嫁の困難さなどを紹介した。しかし、14年度の税制改正に向けてはそのほかにも石油業界に影響が及ぶ可能性のある課題があり、予断を許さない状況である。
まず、地方財源である自動車取得税については消費税が8%に引き上げられる来年4月からエコカー減税の拡充が行われ、その後、15年10月の消費税10%引き上げ時に廃止するとされた。しかし、この見直しに伴って地方分の税収がおよそ2000億円なくなることになるが、その補填については「必要な財源は別途措置する」とされた。その「別途」をなにするかを今回の税制改正で決めることになっている。
地方税を所管する総務省の審議会が、同じ地方税ながら低廉に抑えられている軽自動車税を増税することで代替財源にする案を考えているようだが、自動車業界の強い反発もあり、その行方はまだわからない。
これまでの自民党税制調査会の議論の場では一切触れられなかったが、民主党政権時代の政府税調では、財務省が「車体課税の負担軽減を行う場合には、国際的に低い水準となっているエネルギー課税の強化などにより安定的な財源を確保することが大前提」と主張しており、このいきさつを考えると、今秋の税制議論の中で燃料増税案が急浮上する可能性も否定できない。
もうひとつ、これから始まる税制改正論議で激しい議論が予想されるのが、森林吸収源対策の財源確保に係る税制措置として農林水産省が要望している地球温暖化対策税の活用である。つまりエネルギー特別会計の使途拡大である。大綱では「検討事項」の中に「早急に総合的な検討を行う」とされ、事実上、継続事案として扱われることになったことから、農水省はこの秋の税制改正論議で決着をつけたい構えだ。また、林野整備費は膨大な額に上るとみられることから、今回の税制改正ではさらに「森林環境税(仮称)」の創設も求めている。これが燃料への上乗せを狙ったものなのかはまだ明らかになっていない。
原油高、円安で高値が続く石油製品価格を、さらに引き上げることになる増税については、我々石油業界は断固として反対していく。この秋、石油業界一体となって大きな声を上げていくことになる。