日刊ニュース

2013.09.26 のニュース

業転問題 ブランド料引き下げで調整か-元売は業転のルール策定には反対-

 業転の扱いについて、公取委が「一律に制限・廃止するのではなく、一定のルールを策定するよう」元売に対して改善策を求めたが、元売はルール策定には反対しており膠着状態が続いている。だが、JX日鉱日石エネルギーが、販売関連コスト(ブランド料)を現行の4円から1円引き下げ3円とする案を伝えているため、この方向で調整されそうである。他の元売は様子を見守る構えであるが、JXがブランド料を先行して引き下げることになれば追随することになりそうである。
 この業転問題は、公取委が実態調査しており、その結果、元売に改善策を求めているもので、今後は元売と全石連との話し合いで調整される。だが、その背景には、自民党・石油流通問題議連から圧力がかかっており、エネ庁も行政の立場から調整を図ることになる。
 それでも業転の扱いでルールを策定することは難しいとみられており、その代案としてブランド料の引き下げで対応することになった。販売業者が納得するかが問題となるが、あまり時間をかけて引き伸ばすこともできず、スピード感を持って決着を目指すことになる。
 業転問題に対する販売業界の要請は、系列仕切価格との価格差が4~5円と拡大しているため業転玉を扱う無印SSなどが有利であり、系列業者が高い系列玉を購入することで不利な立場にあり、その価格差の是正を求めている。この価格差が是正されないならば、交換条件として業転の購入・販売を自由にすべきとしているものである。
 余剰玉である業転が安値で取引きされているが、その要因は需給バランスが崩れているためである。余剰玉が業転市場に流れているもので、需給がタイトにならなければ永久に供給増が続く。高度化法の施行により、来年3月末には設備処理が進むことから需給はタイトになり、業転玉が減少するため価格差が是正されると期待されている。予測通りに推移すれば需給が締まり、自動的に業転が値上がりして業転と仕切価格との価格差が是正される状況となる。だが一方では、ガソリンなどの販売が減少しているため、設備処理が行
なわれても、供給増が続くという不安も残る。今後の販売動向、各社の需給取組みにかかってくる。
 元売は、ブランド価値、商標権、安定供給、品質保証による消費者保護の立場から系列SSの業転玉の購入・販売を禁止しており、この基本方針は貫く。業転を自由化すれば業転のウェイトを高めることになり、系列販売のウェイトが減少することで、一気に元売の業績は悪化することになる。
 販売業者も、本音は業転を購入する自由を求めているのではなく、業転と系列仕切との価格差の縮小を求めているため、ブランド料の引き下げで仕切価格が値下がりすれば納得するものとみられる。ブランド料は現在約4円/リットルが設定されており、JXは1円の引き下げを伝えているが、販売業者サイドは2~3円の引き下げを求めており、その差は大きい。全石連と元売とで調整を行なうことになっており、大筋としては、双方の合意を得ることになりそうである。だが、最終的には、元売と販売業者とで、意見をすりあわせ決めることになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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