2013.09.30 のニュース
7年後のSS経営基盤と税
2030年に内需は現状の6割減の2100万㌔㍑。昨年6月に総合エネ調が示したガソリンの未来予想図だ。HVやEVという次世代車の最大導入ケースという但し書きがあるが、我々には大きなショックを伴う試算だ。その中途である20年は3600万㌔㍑が国内の市場規模という。
最大導入ケースというのは、次世代車比率が新車の7割、保有の56%に達するというシナリオだが、近況は登録車ベースでは新車の3割強をHVが占め、軽自動車を含めると、その比率は2割になる。ただし、HVも軽も㍑30㌔㍍という低燃費を競う構図だから、ガソリン減少は間違いないところだろう。
一方のSSは、過去7年の平均減少率3・7%を適用すると、20年には2万7千ヵ所となる。平均では月111㌔㍑となるもので、現状比で15%減少する。これからの7年間で3600万㌔㍑に縮減するという内需見通しを置き換えると、年率6%減が続くこととなるから、これは悲観過ぎる見通しにみえる。年率4%減なら4170万㌔㍑で平均129㌔㍑とほぼ現状並み、3%減なら4480万㌔㍑で平均138㌔㍑で5%増、最近の減少率に近い2%減なら4820万㌔㍑で平均は13%増の149㌔㍑となる。
高齢化が一段と進み、秋田など8県では8%を超える人口減少となる地域も出るのが20年の国勢だ。5%から8%へ、10%へと消費増税はされているだろうが、ガソリン減税は考慮しにくい財政状況だろう。ところが内需が減少すれば、ガソリン税収も減収になる。現状2兆8千億円の税収は、3600万㌔㍑ケースでは1兆9368億円へと減る。減収を避ける唯一の方法は増税であり、税を53・8円から80円へと引き上げれば帳尻が合う。税が80円となると、160円ガソリンは180円プラス消費増税でほぼ200円となろう。うち18円が消費税で、そのうち8円がタックス・オン・タックスだ。
広告、観光、宿泊、建築土木、不動産…。五輪開催決定で、直接的に潤うことが確実視される業界が多数ある。石油とSSは、直接的な恩恵は少ないだろうが、重機が動き、人や物が動くことで、間接的に内需のかさ上げが想定される。東京五輪に向かう7年間は、決して悲観すべき材料ばかりではないだろう。ただし、増税、新税、さらには増税につながる使途拡大にも要注意だ。