2013.10.03 のニュース
値上がり局面で新体系へ 減販で業転の低迷を懸念~価格差の是正は遅れる~
製品需給は、安定しているが、業転市況の低迷が懸念されている。ガソリン在庫は200万キロリットルと低位で推移しているが、販売減から業転の買いが入らず下落している。原油価格の下落で仕切価格も9月に入って連続して値下げとなっているが、業転市況は低迷している。JXは10月から販売関連コスト(ブランド料)を1円引き下げる新しい体系に移行するが、その目的は、業転と系列仕切との価格差を是正するためのもので、本来は業転を値上げするのが狙いである。しかし、仕切価格は値下げ局面となっており、連動して業転市況も値下がりするという厳しい状況となりそうである。東商取の先物はガソリンが76円/リットル程度、業転は131~132円、灯油の先物は77~78円、業転も77~78円で推移している。値下がり局面で新しい体系に移行する場合は、思惑が外れるケースも多いが、業転との価格差が縮小して安定するかは、今後の推移をみないと分らない。業転を値上げするには需給を一段と締めるか、安値では業転市場に放出しないとの元売の方針が徹底されないと難しい。
10月の下期入りとなったが、ガソリンの業転の扱いについてエネ庁より行政指導の通達が出され、新しい枠組みがスタートする。業転と系列仕切との価格差を是正するため、まず、JXがブランド料を1円引き下げる。他社の動向は、様子待ちとなっているが、名目は違っても何らかの方策で対応し、結果的には仕切価格が引き下げられる。仕切価格の引き下げは、SS経営の安定化を狙って販売業者に利益還元されるものであるが、末端市況が下落すると、還元どころか吐き出すことになりかねない。
元売は仕切価格の値下げ分を、業転の値上げ、他油種の値上げ、合理化でカバーすることになるが、業転との価格差を是正するには、業転市況を維持するか、値上げしないと価格差は縮小しない。
業転を値上げするには、需給をタイトにして、業転市場への業転玉の放出を少なくすることになる。高度化法により、来年3月末には、トッパー能力は390万バーレル/日程度となり。大幅に削減される。余剰玉がなくなることで需給は締まり、業転玉は減少する。その結果、需給、市況は安定して、マージンが確保されるというシナリオが想定されている。
需給の安定によって元売、販売業者の経営の安定化を狙うことになるが、下期は需要期であるため増販が見込まれ、加えて先行きトッパーも停止となるため、今後は需給が締まるとの見通しが強くなっている。
当面のガソリン需給は、末端市況が値下がり局面であるが、在庫も低位で推移しているため大きく値崩れせずに維持している。だが、減販となっており、業転市況の低迷が長期化すると末端市況への影響が懸念されてくる。