日刊ニュース

2013.10.03 のニュース

ガソリン・灯油 高値による節約を懸念-在庫は安定推移で需給バランスを保つ-

 石連週報によると、ガソリン在庫(21日)は約200万キロリットル、灯油は300万キロリットルを確保している。9月のガソリン販売は、夏場の反動と台風18号の到来、20号の接近などから前年比で約6%の減販となっているが、在庫は200万キロリットルの低位で推移している。9月に入って仕切価格が連続して値下げとなっており、末端市況も値下がり傾向となっているため下げ過ぎを警戒する局面となってきた。それでも在庫が低位で推移していることもあり、大きく値崩れする状況にはない。しかし、値下がり傾向にあることに加え、9月初めには160円/リットル相場となっているため、高値感からユーザーの節約による減販が懸念されている。
 今夏のガソリン販売は7月が510万キロリットルで前年同月比で2%増、8月は542万キロリットルで0.3%の微減となった。今年は猛暑となり、増販が見込まれたが、8月の下旬は高値感からユーザーが節約に取り組んだこともあり減販となった。また、前年販売が高水準であったため伸び悩んだことになる。さらに9月は台風の到来が影響した。
 灯油の在庫は300万キロリットルを確保しており、夏場は高位で推移したが、ここにきて前年並みの水準を確保している。前年の在庫のピークは10月末で330万キロリットルであったため、今後20~30万キロリットル積み増しとなりそうである。
 今後の原油価格の動向にもよるが、販売業者、ユーザーの在庫積み増しも、これからピークとなり、シーズン入りに備える。あとは天候次第となるが、最近の気象は夏場は猛暑となり、秋は短く、一気に冬場となるケースが多く、今年も冷え込みが早まるとの予想もある。石油業界としては、早い冷え込みを期待したいところである。灯油の荷動きが活発化すれば、他油種の需給も締まるため好材料となる。逆に暖冬になると、需給バランスを崩して市況が急落することになるため、10~11月の天候がポイントとなる。
 灯油は、東日本大震災を機に重要性が認識され、需要回帰が見込まれた。そのため石油業界(石連、全石連)では、灯油の増販を狙って、灯油の利用促進を目的に今年もキャンペーンを実施している。灯油は電気・ガスと比較して経済性、安全性、快適性などで優れていると訴えて、クイズで回答すると灯油ストーブが当たるなどPRに努めている。
 それでも灯油販売は、ガス、電力への燃料転換から減販の見通しとなる。都市部のマンションでは灯油の使用を禁止しているケースが多く、電気、ガスの暖房となっている。そのため灯油消費は、寒冷地、郊外と農村地域となっており増販は期待できない。
 さらに、原油価格の値上がりで灯油価格が値上がりしており、消費者の節約による減販が懸念されている。末端市況はSS店頭が100円/リットル(18リットルで1800円)、配達価格は110円(約2000円)となっているため、高値感から節約することになる。電気、ガス料金は割高であるが、支払いは自動引き落としとなっているためユーザーの感覚として高値感が薄い。一方、灯油の場合は、その都度、現金での支払いとなるため、買い控えたくもなる。同様に、現金払いのガソリンも160円相場となると節約となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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