日刊ニュース

2013.10.03 のニュース

風雲急告げる卸方式事情

 約3年ぶりに元売の仕切りフォーミュラが変更された。複数の元売とその系列特約店・代理店から、それを示唆する情報が届いている。その端緒は、政治と行政からの要求を引き出した組織活動だったが、100人の特約店・代理店の大勢が、これまでの仕切りフォーミュラに対して、ジリ貧という方向性しか見いだせなかったことにあるから、元売による個々の系列特約店・代理店支援のための変更だと受け止めたい。
 その修正の胎動は8月下旬から生じていたが、今週末からそれは明らかな姿を伴って示される。公正取引委員会の奨めに即して、元売から事前説明を受けた系列特約店・代理店からは、それを評価する声もあるが、現実に業転相場と系列仕切りの格差が一向に縮まらない近況に、苛立ちを募らせる声も強い。前週末から当週半ばまでの業転や先物相場の市場動向に連動して、当週末からの系列卸が発動されるから、業転相場と系列仕切りには、1週間のタイムラグが生じてしまう。
 ガソリンの業転や先物市況に影響する最大の要因は原油コストである。今週を含めて、中東産原油指標の近況は3週連続値下がりの過程にある。しかも、その3週ともに1円を超える値下がりを示している。業転相場が先行して値下がりし、これを受けて系列仕切りが下がるという相関関係では、系列仕切り適用開始の前週末に丸1週間分の1円以上の値差が付き、週明け以降も業転が値下がりすれば、系列との格差の拡大実額が当週半ばには2円に達してしまう構造だ。
 仮に、原油コストが横ばいになれば、当週末から、拡大した値差は収縮し、フォーミュラ通りとなる。さらに、原油コストが反転値上がりに転じれば、当週末には、格差はフォーミュラ以上に収縮することとなるし、大幅原油高となれば、業転と系列仕切りが瞬間風速的には逆転する事態さえも起こり得る。
 3円という業転-系列格差であれば、現在の為替99円台で104㌦の中東原油が4㌦値上がりして108㌦となれば、その隙間が埋まってしまう。ただし、現状は104㌦から100㌦へと下落する要因のほうがむしろ強い。
 今週末から適用の週仕切りと業転を比較して、それを期待外れと決めつけたり、悲観視してはいけない。それは一過性の出来事であり、いずれ格差縮小の恩恵は系列特約店・代理店に浸透するだろう。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE