2013.10.07 のニュース
総合エネ調 消費・需要面から審議-省エネ、再エネの推進を図る-
第6回・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会は2日に開催され、消費・需要面から見たエネルギー政策のあり方について審議した。今回のエネルギー基本計画の議論は、「生産・調達」、「流通」、「消費」の各段階を切り口に審議することになっており、前回までに石油、LNGなどの資源確保策、石油・LPGのサプライチェーンの構築、総合エネルギー産業構想などを審議したが、今回は消費面から省エネ、再生エネについて、環境対策など事務局(経産省)の資料を参考に議論した。
エネルギー基本計画については「前政権のエネルギー・環境戦略をゼロペースで見直し、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点を含め、責任あるエネルギー政策を構築する」としており、原発政策は「原子力規制委員会が安全性を確認した原発は再稼働を認める」と原発を容認している。年内には計画をまとめるが、原発依存度など数値で示す長期見通しは策定しない。この計画はエネルギー政策の柱となり、来年度以降の予算要求、新政策に反映させることで実現を目指す。
最近のエネルギー供給構造は、東日大震災後は、原発の稼働停止で原子力が減少、これに代わって火力発電が増加、石油、天然ガス(LNG)の比率が増加している。発電電力量は2010年度以降はLNG、石油による発電が増加している。12年度の最終エネルギー消費は10年度に比べ1.2%の減、電力消費量も同じく2%の減となっており、これは節約と生産減によるものである。
省エネ策としては、トップランナー方式による省エネ機器、高効率設備の開発を推進する。とくに運輸部門では次世代自動車の割合の拡大、ハイブリッド、電気自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル車の普及を目指す。また、水素ステーションを整備するための支援策が打ち出されおり、元売も参画している。
再生エネルギーの太陽光発電は、固定買取制度の運用で導入促進が図られている。分散型電源に適しており、中小規模でコストの回収も可能である。地熱開発はリードタイムが10~20年と長いうえに開発コストも高く、リスクを伴うため条件は厳しい。そのため初期調査の段階からの支援策を打ち出している。風力は、相対的コストは低いが、気象条件や送電網の整備などの問題もありインフラ整備がカギとなる。そのため現状では、太陽光発電以外の再生エネの普及にはかなりの時間がかかる。
地球温暖化対策については、温室効果ガスの排出量は、震災後は増加しており、11年度は前年度比で0.51億トンの増となっている。電力以外では若干減少しているが、電力分は原発代替の火力発電(LNG、石油、石炭)の増加により0.65億トンの増加となっている。政府の方針では1月25日の日本経済再生本部において安倍総理が「今年11月のCOP19までに25%削減目標(90年比、鳩山元総理が表明)をゼロペースで見直すとともに、技術で世界に貢献していく、攻めの温暖化外交戦略を組み立てる」と明らかにしている。
CO2排出量はOECD諸国は減少するが、中国、インドなどが増加、2030年には全体の約7割を占めるため、日本一国では解決できないことから全世界で削減できる枠組み作りを求めている。