2013.10.08 のニュース
車の進化を魅せる世界会議
来週、東京・お台場エリアを中心にITS世界会議2013が開幕、国内外から政府や民間企業の関係者を中心とした約1万人が参集すると見込まれている。ITS∥インテリジェント・トランスポート・システム(高度道路交通システム)は、最先端の情報通信技術を活用して安全、快適、円滑な交通社会を追求しており、環境に寄与し、高齢化社会への対応にもつながる取り組みである。世界会議は日本が牽引するアジア太平洋地域、欧州、米州におけるそれぞれの進化と、3極連携によって事故や渋滞の削減、エネルギーの有効利用、経済の活性化など世界共通の課題解決を目指す場だ。94年にスタートし、95年横浜、04年名古屋以来、3回目の国内開催を東京で迎えると同時に、20回目の節目ともなる。
ITSは日本のドライバーにとって、とても身近な存在だ。古くは80年代に誕生したカーナビに遡る。いまでは洗練され、専用装置(DCM)やケータイ活用による通信機能などを備えた次世代機種も登場しているが、当初は大きくて無骨な代物だった。昨今は脱着式の携帯型ナビ(PND)に代わってスマホの活用も広がっており、自車が発信する位置情報なども利用して緻密なデータをやりとりするテレマティクスの時代になった。
高速道路ゲートのETCもITS利用の代表例である。我が業界にとっても縁遠い世界の話ではなく、ETCの仕組みを活用した料金決済実験は以前から行われているし、JXは今年7月から、専用Wi|Fiを設置して法人車両向けの車両・運転情報サービス実証を実施している。ガソリン給油時に自動的に取得したデータを分析し、メンテナンス情報などを提供することで、顧客サービスの向上などに利用する考えだ。
昨今のクルマは先進安全装備に付加価値を求める機運が高まっている。衝突回避・被害軽減ブレーキシステムの採用車両は軽自動車にまで及び、この先にはより一層高度な協調型運転支援、そして「自動運転」もが視野に入ってきている。日産は20年までに自動運転技術の市販化を目指すと発表、メルセデスベンツは8月、独国内の公道で全長100㌔にわたる自動運転実験を行った。
700小間の展示、250の会議、自動運転などのデモ・試乗走行、またビッグデータの可能性で明日の扉を拓く世界会