日刊ニュース

2013.10.15 のニュース

自動車関係諸税の周辺情勢

来年4月からの消費税率引き上げが確定した。増税への対応として、政府は自動車取得税・重量税について「経済情勢に配慮する観点から、駆け込み需要と反動減の緩和も視野に入れ、安定的な財源を確保したうえで、地方財政にも配慮しつつ、簡素化・負担軽減・グリーン化を図る観点で見直しを行う」としている。現行のエコカー減税対象登録車・軽自動車は直近で総販売台数の8割を占める。負担軽減と財源確保という背反の課題にどう臨むのか。
 また総務省の自動車税制専門検討会は、主に排気量基準となっている自動車税・軽自動車税に、「環境性能」を加味するなどの方向で提言をまとめるとの報道もすでにみられる。エコカー普及を後押ししつつ、取得税廃止に伴う地方税収の減少を補う意図がうかがえる。優遇と言われる軽自動車税の引き上げが大きな焦点だが、軽自動車メーカーの両トップは反対姿勢を訴えている。
 自工会の11年度版・軽自動車使用実態調査報告によると、軽乗用系ユーザーの横顔は60歳以上が3割、女性が6割、世帯年収300万円未満が4割、「ほとんど毎日使用」が7割、「併有車あり」が7割。軽を選んだ理由では「税金が安い」(79%)が「燃費が良い」(60%)をかなり上回る。世帯普及率は2世帯に1台超で、地方では1世帯に1台が2県、1世帯0・8台以上まで含めれば25県と全国の過半数。軽の役割として「生活必需品に近い」との認識は73%に達する。軽シフトが加速し、いまや新車販売の4割に近づき、保有ベースでも3割を越える中で、軽自動車税の増税は大きな難関だろう。
 とはいえ、矛先を燃料課税の強化へと転じるような代案は断じて認めるわけにはいかない。環境名目での上乗せは石油石炭税として段階的導入中だ。そもそも、ガソリン税の「当分の間」税率∥旧暫定税率は道路特定財源制度の廃止によって課税根拠を失っているし、ガソリン税のタックス・オン・タックスもおかしい。にもかかわらず、いまだに課税が続けられている。それに対して是正を求めている石油業界の主張は決して我田引水ではない。JAFも14年度税制改正要望で同様の問題提起を行っている。これは、自動車ユーザー大多数の声を代弁したものだ。年末の次年度税制改正大綱に向け、自動車関係諸税の見直しに関する動向を、引き続き注視せねばならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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