2013.10.28 のニュース
130円台で売られたガソリン
23日に①㌔㍑7万6130円で118枚、②7万5540円で20枚の2つのEFP取引が成立。
大量のヘッジ・ポジションを建てたり、解消したりする場合、先物市場に大量の売買注文を入れると、自らの注文発注によって価格が不利な方向に動いてしまうことがある。そこで「現物取引が背後にあるといった一定の条件の下に、先物の買いと売りを個別競争売買を介さずに、取引所へ申し出て、その承認をもって先物取引を成立させる」ことが認められている。こうした現物取引の契約を結んだ売り方と買い方が、同一価格の先物の買いと売りを、個別競争売買を介さずに成立させる取引を、EFP取引という。
冒頭の一節①を解説すると、東京商品取引所で「京浜海上出荷で、11月渡し可能なガソリン・売りポジションを有していたA社が、商品取引所を介して、B社にガソリン税込み、消費税別㍑129・93円で5900㌔㍑売った」、「11月受け可能なガソリン・買いポジションを有していたB社が、取引所を介して、A社から㍑129・93円で5900㌔㍑買った」という意味で、A社とB社は、数量など単価以外の諸条件においては、合意済みであったという前提がある。
A社もB社も、一般の石油販売業者とは異なる。京浜地区で海上取引できる経営資源を有している方々で、5千㌔㍑規模の取引を一撃で決めてしまう大きな器を有する方々だ。
②では、C社とD社がより安価な129・34円で1千㌔㍑の取引を成立させた。東商取では「海上出荷」を「陸上出荷」に転換する場合、通常㍑1・2円の上乗せでオプション可能と記憶しているから、130・54円という陸上品に化ける。
エネ庁が発出した通達「ガソリンの取引に関する公正な競争の確保について」、公取委が業転購入のルールづくりを求めた直後のこの時勢において、まさか、129・34円で1千㌔㍑売ったC社は、そのまま元売ではないだろうとは思う。ただし、129・34円で売られた1千㌔㍑のガソリンは、間違いなくメイド・イン・ジャパンであろうから、その誕生の地は、国内25ヵ所の製油所、8元売のどこかだろう。
同じ出所来歴を有するガソリンだが、23日にB社に対しては130・54円で売り、系列特約店には140円超で売られた。これが正常なのだろうか。