日刊ニュース

2013.11.05 のニュース

5%減の現実を直視せよ

 毎週のように、本土へ向かって台風が進路を定める。しかも、飛び切り大きな勢力を保ったままで上陸する可能性を報じていた。まるで9月のような天候の10月が終わった。
 ざっくりとSS業況を振り返ると、惨敗の10月となった。実際に上陸した台風は1つにとどまったが、伊豆大島に大きな爪痕を残し、直撃や豪雨・暴風の可能性に言及されると、日本人の多くが、伊豆大島の全島民に避難指示が出るようなイメージを広く共有したから、天候要因という視点で見ても、プラス材料はほとんど見当たらない。ガソリン内需は大雑把に言って5%減だろう。
 多くの系列で10月中には「意味不明」と評される大幅仕切り値上げがアナウンスされた。これを額面通りに受け取って良いものなのかは不明だが、仮に額面通りの値上げを断行されたSSは、大出血に陥っているだろう。額面の半分ほどの値上げで済んだとしても、平均的なSSは9月よりもガソリン粗利を大きく削ることを余儀なくされただろう。あの3・4~4・0円値上げが、仮にゼロ適用であったとしても、SS粗利には毀損した形跡が残っている。
 9月比でガソリン小売価格が値上がりしたのは、全国でわずか5県だ。3・5円安に沈んだ岡山を筆頭に、神奈川、鳥取、沖縄、新潟の傷が深い外観がある。前年比で平均11・6円高となっているが、9・2円高にとどまった鳥取を筆頭に、石川、山梨、沖縄に上昇は10円に届かず、全国平均よりも、2円近くの地盤沈下に直面している外観がある。10円マージンなら、その2割を失った計算だ。両方に名前が見つかる鳥取と沖縄の2県は、危機的な様相といってよいだろう。観光立県の特色も有する2件だけに、天候要因からの数量マイナスも、より大きかったものと想像できる。
 傷口が広がったり、沈んだりした地域に共通するのは、この5%減という数量減を許容しなかったSSの存在が、間違いなくある。もし、あなたが他のSSと同様に我慢できたなら、少なくとも、粗利毀損の傷はより浅く軽くすんだことだろう。
 数量5%減、粗利2割減の世界。それは前年100㌔㍑当たりのガソリン総粗利100万が、95㌔㍑で総粗利76万円へと24%減に低下したことを意味する。単位粗利の毀損は、我々の命を損ない兼ねない低位にあるのだ。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE