2013.11.07 のニュース
冬商戦、頑張ろう石油(業)
今年も残り2ヵ月。いよいよ冬場商戦に入る。気象庁予報によると、12~2月は全国的に気温が平年並み~低く、降雪量は平年並み~多い確率が高い。ここ10年間では、05~06年シーズンに“平成18年豪雪”の寒冬、翌期は記録的暖冬、11年以降の3シーズンは寒冬・低温が目立ち、日本海側では大雪、多雪、積雪が続いてきた。同庁は今月から「大雪に関する異常天候早期警戒情報」の運用を開始。日本海側を中心に、7日間の降雪量が「10年に1度」程度しか現れないような大雪の可能性が30%以上と予想した場合に発表し、事前の備えを呼びかけるという。
こうした中、高速道は雪氷対策期間を迎えた。管理エリア3700㌔㍍のうち、その6割が年間降雪量1㍍以上となるNEXCO東日本。月平均事故件数は通常期の1・5~3倍に高まる。事故防止のために、パトロール車で巡回し、凍結防止剤散布車や除雪車が出動する。作業中を知らせる標識車の自家発電源、チェーン脱着所の融雪システムを含め、石油製品は多岐にわたって利用されている。また、ユーザーに早めのタイヤ交換を促すPR活動も本格化してきた。
一方、これから各地で暖房ニーズが高まる。近年は灯油㍑100円が消費者意識の分岐点とも言われるが、全国平均小売価格は石油情報センター調査の一般店頭で昨年11月第1週が90・9円、シーズン終値の今年3月最終週は100・1円、10月28日時点は101・8円。総務省家計調査では昨年11月が86・7円、今年3月が98・3円、9月が97・6円。以前と比べれば高値となったものの、石連ホームページでのエネルギーコスト比較をみると、9月データで灯油を1とした場合、都市ガス1・47、LPガス1・91、従量電灯2・43。灯油こそが、最も経済的かつパワフルなエネルギーだ。石油ストーブは非常時の有用性も高い。灯油の重宝さは定評を得ているし、年配者の利用率が高いという特徴もある。
安心走行や安全・快適な暖房に資するサポートが重要度を増す時期だ。社会的な職責を負っている業界として、これ以上お客様が困る前に、石油製品やSS離れが進む前に、手を打たねばならない。きめ細かなサポートには、長く培ってきた知見とノウハウが生きる。地域の実情、冬の現場を良く知る地場中小店の体力強化につながるシーズンとしたい。