日刊ニュース

2013.11.19 のニュース

ガソリン在庫減少続くも-業転は値上がりせず低迷-

 ガソリン在庫(9日時点)は189万キロリットルと190キロリットルを割る低在庫で推移している。190万キロリットル割れは10月中旬から続いており、このように需給はタイトな状況にあるが、業転、先物市況は値上がりせず、横ばいで推移している。これは原油価格が下落傾向にあり、それに伴い仕切価格が値下がり状況にあるためで、業転の横ばい状況は、当面、継続するものとみられる。また、ガソリン販売は減少傾向となっていることで業転のオーダーも低調であり、末端市況は下落している。
 足元では系列仕切価格と業転との価格差問題が議論となっており、販売業者の「業転市況を値上げして、仕切価格を値下げすべきである」との要望に対応すべきタイミングとなっている。ガソリン在庫は低水準であり業転市況の値上がりが見込まれる時期であるため、価格動向が注目されているが、実態は業転が値上がりする状況ではない。
 ガソリンの市況対策は、需給を締めるために在庫を減らして業転市況を値上げするという方策が決め手とされていたが、現状では通用しなくなっている。在庫が190万キロリットルを割る低水準でも業転市況は反発しないとなると、需給面からも打つ手はなく、市況は様々な思惑を材料に値動きすることになる。ただ、仕切価格が値下がりしているため、業転が値下がりしないことを良しとすべきとの見方もある。
 石油情報センターの調査価格(11日時点でみると、末端市況は平均で158円60銭/リットルとなり、前週に比べると50銭の値下がりとなっている。四捨五入すると159円で横ばいであるが、仕切価格の改定では9日からJXが据え置きであるが、他社は1円から1円50銭の値下がりとなっているため、今後も小幅な値下がりが続きそうである。首都圏の街道沿いは153円/リットルが中心値、セルフは150円割れ、HC、量販店の安値は143円となっている。業転が130円とすると、これに消費税約7円、マージン6円を加算すると143円相場となる。業転市況も値下がり傾向にあるが横ばいで推移しており、一般市況の値下がりが大幅であるため、安値との価格差は縮小している。
 灯油がシーズン入りとなり、「灯油高のガソリン安」の体系に移行してきた。先物でみると灯油が80円に対してガソリンは73円となり灯油が7円高となっている。業転市況は、これに比べると若干高となっているが、灯油は今後も値上がりが見込まれている。今年は冷え込みが早いため、灯油は増販が見込まれるが、これも天候次第となっており予断は許さない。10月末時点の在庫は320万キロリットル程度で前年並みとなっており、順調な滑り出しとなっている。
 ガソリン市況の下落は、これから灯油の増販、増益が期待できるため、ガソリンの市況対策が後退していることもあげられる。灯油の増販でガソリンの減販をカバーする動きとなると、ガソリン市況対策は手抜きとなる。だが、灯油の販売量が少なく、ガソリンが中心となる都市部のSS経営は難しくなる。ガソリンも12月に入れば年末商戦で増販が見込まれるが、都市部では灯油を扱うSSが少なくなっており、ガソリンの減販と市況下落によるマージン減はSS経営を直撃する。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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