日刊ニュース

2013.11.21 のニュース

崩壊する卸市況への歯止め

 ガソリンの卸価格が崩壊しつつある。元売個々は努力を重ねているのだろうが、結果論として、系列と業転の格差は拡大、系列内格差も拡大の一途をたどっている。
 東京石商のレギュラーガソリン卸価格調査では、9月24日と10月28日の対比で、系列平均と業転平均の格差は5・7円から8・1円へ、系列内格差は5・0円から7・5円に拡大した。本紙3面「東京版」にも掲載しているが、系列と業転の格差8・1円は、2008年10月以来の値差にある。08年10月とは、週仕切り改定方式が業界標準となった起点だ。同様に神奈川石商調査でも、9月10日と11月2~8日との対比で、系列と業転との格差は5・1円から6・4円へ、系列内格差も5・5円から5・6円へと拡大した。
 権威と信憑性では、この上に置かれるであろうエネ庁の元売ヒアリングでも、本号掲載の通り、4~6月と7~9月との対比で、系列と業転との格差は0・5円拡大、同一県内の系列格差も0・7円拡大している、と報告されている。
 この3つの卸価格調査を並べてみると、元売ヒアリングの後も、10月、そして11月も、系列と業転、系列内格差が拡大し続けている方向がくっきりと浮上する。
 石連週統計によるガソリンの国内在庫は、4週連続で190万㌔㍑を割り込んでおり、この時期としては過去10年間で最少記録を持続している。アジア市況も入着ベースでガソリン税込133円弱であるのに対して、京浜海上市況は126円割れに低迷している。数字上の需給はむしろ締まっているにもかかわらず、海外高という相場情勢にもかかわらず、国内ガソリンが独歩安に陥っている。この独歩安が、系列高・業転安、系列内格差の拡大につながっていることは疑いようもない。
 縮減傾向が出ているが、ガソリンは5500万㌔㍑を有する国内石油の最大油種だ。国民一人一人がその価格情勢に敏感に反応する最大級の消費財でもある。そのガソリンの小売価格を左右する卸売価格が、とんでもない事態に陥っているのだ。不公平な土俵で、割高な仕入れソースしか有さない地域の系列SSが崖っぷちに追いやられている。その地域の安定供給が、漂流する卸売価格によって、脅かされていることでもある。国内石油業の固有の要因で、こうした不始末が生じているのなら、その排除を急がねばならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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