日刊ニュース

2013.11.22 のニュース

JXのガソリン遡及値下げ-他社との仕切価格差を調整ヘ-

 JX日鉱日石エネルギーは、ガソリンの仕切価格を16日から遡及して6円40銭/リットルの値下げを行なった。JXの場合は10月19月から5週連続して据え置きとしているが、これに対して他社は10月26日から累計5円程度の値下げを実施しており、大幅な価格差が生じているため、その差を調整したことになる。それ以前の仕切価格の値下げによる価格差分は、JX系列SSの負担となることでの不満は残る。ただ、価格差が拡大していたため、近く調整が行なわれるとの見方があった。JX系SSからみれば、仕切価格が5円以上の格差となっており、一方では末端市況が下落しているため厳しい経営が続いているが、今回の値下げでひと安心ということになる。
 他社の系列SSは、仕切価格の値下げ実施となったことから末端市況は値下げで対応している。市況は一物一価で形成されているため、JX系SSも値下げで対応しておりマージン減となっていた。さらにHC、量販店では、先行して値下げをしており143~145円/リットルの安値販売となっているため、ますます不利となっていたことから仕切価格の調整が求められていた。
 最近のJXは、仕切価格の改定で他の元売とは異なった動きをみせている。その例をみると、8月31日からJXは仕切価格を据え置きとしたが、他社は2円50銭の値上げとなった。この時期、シリア情勢の緊迫化で原油価格が値上がり、コスト増となっているため、仕切価格の値上がりが必至と見られたが、JXが据え置きとなったため販売業者サイドは困惑した。JXは据え置きとしたが、他社の系列SSでは、大幅な仕切価格の値上げ分を負担できないことからユーザー転嫁に取り組んだ。JX系のSSも仕切価格は据え置きとなったが、ユーザー転嫁に賛同した形で取り組み、これが浸透して160円相場を形成した。
 最大手のJXが仕切価格を据え置きとしたことで、JX系のSSはユーザー転嫁を見送るのではないかと心配されたが、他系列のSSの値上げに同調することで足並みが揃った。増販で需給が締まるなど環境が整備されていたこともあり、ユーザー転嫁は軌道に乗り、JX系SSはマージンを確保したことになる。
 以前から系列仕切と業転との価格差問題があり、業転の値上げか仕切価格を値下げすべきとの要望があった。そのため、JXが据え置きとしたことで業転との価格差縮小を狙い、先取りして仕切価格の値下げに踏み切ったとの見方もあった。しかし、業転問題と絡んでの仕切価格の値下げではなく、JXは独自に10月からブランド料1円値下げを実施したため、実質仕切価格は値下げされたことになる。だが、他元売はブランド料という名目での値下げを実施していない。もともとブランド料という項目がないとの元売の方針もあるなど、業転問題に絡んでの仕切価格の値下げ対応は各社でバラツキもあり、未決となっている。
 さらに9月に入って仕切価格の値下がりが続いたため、10月12日からはJXが先行して3円40銭の値上げをすると発表、これに他社も、ほぼ同額の値上で追随した。この時期の値上げは想定外であり、販売業者も戸惑いをみせるなど、仕切価格の改定に不信感が高まっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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