2013.12.02 のニュース
石油資源開発 競争力のある天然ガス供給を 相馬LNG基地を新潟までパイプで繋ぐ
石油資源開発は27日、事業化を検討していた相馬LNG基地(福島県新地町・相馬港)の建設と基地に受け入れたLNGの気化ガスを自社の仙台パイプラインに接続するパイプライン(約40キロメートル)を建設する投資決定を行なった。受入能力は年間100万トンで、操業開始は2018年3月を予定している。
このLNG基地建設は、現在、カナダで推進しているシェールガス田から生産されたシェールガスを液化(LNG化)して輸出する事業をペトロナスと共同で推進しているが、その液化プラントの操業開始が2018年末となっており、この計画に合わせて建設するものである。
投資額は約600億円を見込み、LNG受入基地は相馬港4号埠頭地区の敷地約20ヘクタールに、LNG貯蔵タンク1基(23万キロリットル)、LNG外航船・内航船(LPG船兼用)受入バース、LNG気化器2基、LNGローリー出荷設備などを建設する。
接続パイプラインは福島県新地町~宮城県名取市の約40キロメートルで、口径は20インチを敷設することになっており、設備の完成は2017年12月を予定、操業は2018年3月を予定している。接続パイプラインが完成すると新潟・仙台ラインと接続することになり、日本海側~太平洋側のLNG基地が連結することで、天然ガスの供給ネットワークが構築される。
カナダのLNGプロジェクトでは、ブリティッシュ・コロンビア州ノース・モントニー地域で生産されたシェールガスをパイプラインでプリンス・ルパートのLNG化基地まで運び、LNGにして8~9日で相馬LNG基地に到着する。LNGの年間生産は1200万トン規模となっており、うち、10%の権益分である120万トンを石油資源開発が引き取る計画である。相馬LNG基地の当面の能力は50~60万トンを見込んでおり、自社のパイラインを通じて供給、さらに勇払LNG基地へは内航船で供給するが、その他は、LNGによる発電事業など新規需要の開拓、転売などの検討を進める。発電事業については、電力会社(東電)などの電源開発計画をも視野に入れて検討していく。
石井正一専務取締役は「このLNG基地建設は、東北地域の天然ガスの需給増に対応するものであるが、復興庁から8月に東日本大震災特別区域法の復興計画の指定を受けており、経済振興、雇用創出、エネルギー安定供給の貢献に努め、復興の流れを加速させたい。自社が保有する基幹パイプラインの新潟・仙台ライン、白石・郡山ラインに接続することで、価格競争面でも有利となり、一段と安定供給が確保される。国産ガスが減退する状況下で、長期安定供給に寄与する」と述べている。