2013.12.16 のニュース
ガソリン在庫減少、灯油は増加-市況はガソリン安の灯油高-
ガソリン在庫は低水準であるが、市況は低迷しており、灯油在庫は前年より増加しているが、市況は堅調で推移している。このように両油種は対象的な動きをみせているが、ガソリンは減販による供給増を避けるため輸出の拡大、石化原料にシフトすることで調整しており在庫は低位で推移している。
灯油は、12月に入っても暖かい日が続き荷動きが鈍っているが、これから本格的な需要期に入るため増販期待もあり、市況は堅調である。冬場になると「灯油高のガソリン安」の価格体系に移行するが、灯油の先物、業転は85円/リットル程度であるのに対し、ガソリンは76~77円で推移している。ガソリン販売は下期以降、減少していることもあり、市況低迷で元売、販売業者共にマージンが減少している。
石連週報によると、ガソリンの在庫(7日時点)は181万キロリットルで前週比6万キロリットル減、前年比では22万キロリットル減の低位となっている。180万キロリットル割れ寸前であり、出荷(販売)は1週間で100万キロリットルを超えているものの省燃費車の普及、高値によるユーザーの節約志向が強まっており、減販が続く見通しとなっている。
一方で国内の販売減をカバーする動きから輸出が拡大している。輸出は週間で3~4万キロリットルであったものが、最近は8~10万キロリットルと増加している。しかし、ガソリンは各国によって性状が違うため、輸出できる国が限定されることからガソリン基材として輸出するケースもある。
ただ、輸出となると海外市況との価格差がポイントとなり、国内価格を下回れば赤字となるため、赤字を覚悟で輸出することは不可能である。さらに輸出専用の桟橋、製品タンクの増強が必要となる。幸い為替が102~103円/ドルと円安が続いており、輸出は有利な状況下にあるため、同様にジェット燃料、軽油の輸出も好調である。両油種の性状は国際規格となっているため、性状面では問題もなく輸出が行なれているが、夏場に比べると輸出数量は減少気味である。
また、国内では、石油化学が好調であるためガソリンを石化にシフトさせることで供給増を避ける方策をとっている。
このようにガソリンは減販が続いているが、低在庫で推移しているため、本来は業転の値上がりが見込まれるが、依然として低迷する状況が続いている。市況低迷の要因は、在庫が低いが減販となっているため供給面では安定しているのと、いわゆる業転ルートが定着しているため在庫減が影響しないようである。
灯油在庫(7日)は316万キロリットルとなっており、前週に比べると6万キロリットル減となり、在庫を取り崩しているが300万キロリットル台を維持しており、前年比では50万キロリットルも多い。11~12月の気温が高くなっており、昨年11月が冷え込みのため増販となった反動で減販となっている。
12月に入っても暖かい日が続いているため減販が心配されるが、12月で仕切価格が値上げされたこともあり、末端市況は値崩れすることなく堅調である。すでに100円/リットル相場となっており、配達は120円(18リットルでは2200円相場)となりつつある。高値による消費節約も心配されるが、今のところ、市況は堅調で維持している。