日刊ニュース

2013.12.20 のニュース

2013年・元売の通知表

SS経営者のあなたが、自身が取引する元売を採点するとしたら、いったい何点を付けることができるだろうか。2013年は、長く取引関係にある元売という業と、SS・石油販売業の関係が大きく揺らいだ年となった。最大の焦点は価格差という3文字だろう。
 ここに、ひとつの履歴を紹介しよう。12年12月の月次ガソリン仕切りが129円だったとすると、7月までは、ほぼ全元売が横一線の価格となるが、8月以降はじりじりと系列によって値差が生じ始める。そうして、割高な元売は11月の月次が140・4円となり、その近況は140・8円という仕上がりとなる。一方の割安な元売は11月が136・3円で、その近況は136・7円という仕切りが、いま出現していることになる。その格差は4・1円に達する。
 取引する元売によって、こんなにも大きな格差がつくと、割高な元売は大きくシェアを落とし、割安な元売が大躍進するのだろうが、そうした事実はない。割高な元売から系列離脱が多発するのだろうが、そうした事実もない。激戦地で割高な元売のマークを掲げるSSは、大きく数量を落とすか経営不振に陥るのだろうが、特にその系列SSばかりが経営の苦境度合いが高いという話も聞かない。
 元売系列SSを最大の危機に落とし込んだ元凶である業転価格はどのように推移したか。昨年12月のSS届けベースでの月次平均を124円とすると、11月は130・3円で、近況は133・1円前後だろう。
 1年前の12月に5円だった業転と系列仕切りの値差は、元売A社の系列SSでは9月に7円まで広がった形跡が残るが、近況は5円を割り込んで4・9円に収縮しているものと想定できる。ただし元売B社系列SSでは、9月に9円に広がった格差が、そのまま近況まで続いている。
 商取引における最大の焦点である価格。その信憑性が大きく損なわれたまま越年しようとしている元売B社は、なんのために、そんなことを続けるのだろうか。激戦地においても、PBや他の系列SSとも伍している姿を見ると、そこには、標準仕切り体系から、大きく外れた価格設定体系があるのだろう。大きな調整がされているのだろう。大きな系列内格差が生じているのだろう。透明かつ公正な仕切り体系が、完全に崩壊したことが残念だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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