2013.12.24 のニュース
エネ研 14年度燃料油販売1億9000万kl割れガソリン1.4%、軽油0.8%各減~電力用C重油は大幅53%減~
日本エネルギー経済研究所は、2014年度の石油需要、原油価格見通しを発表した。燃料油販売は、電力用のC重油の大幅減を受けて23年ぶりに1億9000万キロリットル割れとなる。油種別は、ガソリンが前年比で1.4%減となり、5500万キロリットル台となるのは16年ぶり。ナフサは石油化学用として底堅く0.3%増、灯油は2.7%減、軽油は0.8%減、A重油は3.7%減となる。C重油は電力用が52.9%減となり、LNG、石炭火力の拡大、原発の再稼働を見込んでいる。一般用は2.2%減となり、C重油計では38.1%減となる。LPGは1620万ブで2.3%増を見込んでいる。
2014年の国際石油市場に関する「基準ケース」では、①世界経済の緩やかな拡大に伴い世界の石油需要は前年比100万バーレル/日前後増加する、②非OPEC石油生産は米シェールオイル(軽質タイトオイル)の大幅増産に牽引され前年比150~170万バーレル/日前後の増加となる、③対イラン経済制裁強化は凍結され、場合によっては2014年後半からイラン原油輸出拡大の可能性もありえる、④中東・アフリカ情勢流動化や主要産油国での治安悪化等の要因による生産低下リスクはあるが、全体として供給は十分に存在する、⑤その結果、2014年の国際石油需給は全体として緩やかに緩和に向かう、と想定する。
この需給環境下、ブレント原油の年平均価格は105ドル前後(±10ドル)となる(WTI原油は95ドル±10ドル)。
なお、需給変動の下で原油価格が大幅に高騰・下落する動きが出ればサウジアラビアが生産調整を実施する可能性があり、引き続き一定の上限・下限の存在の下での価格変動となる可能性が高い。
2013年(年初から12月17日まで)、国際石油市場での原油価格指標であるブレント原油先物価格(期近物、終値)の平均値は108.6ドル/バーレルであった。また、WTI原油先物価格の同期間平均値は98.0ドルとなった。原油価格は2012年より若干低下したものの、国際石油市場ではブレントで100ドル超の原油価格が3年間にわたって持続している。