2014.01.09 のニュース
「公正な競争へ」待ったなし
年末年始に際してここ数年、本欄では越年の課題として「競争秩序の確立」「公正な取引」を繰り返し指摘してきたが、年頭に当たり改めて、この必要性を強調しておきたい。これらが実現に至っていないが故に、懸命な経営努力が実らず、意に反して業界を去らざるを得なかった販売業者が後を絶たないからである。1日に4SSが国内から消えていく現状を、なんとしても食い止めたい。系列業転格差、差別対価、不合理な廉売を背景とする不信、憤り、事業意欲の喪失、あきらめ、SS閉鎖、廃業という悪循環をなんとしても断ち切りたい。
もう1つ、指摘を続けてきたのがのが「信頼関係の維持・確立」。かつて、元売とは互いに親子とか車の両輪などと称してきたが、いまは相当に醒めていると映ることが少なくない。ブランドを掲げるメリットに対する評価もあろうが、ビジョンに対する違和感の高まりを聞く場面が増えた。元売間のシェア争いに共同参戦しているかのように見える一握りの系列店以外は、苦い思いをしている。量販偏重の販売戦略は、多くの摩擦と弊害をもたらす。
昨年はこうした実態が公正競争の必要性を一層強め、政治・行政の大きな動きへとつながった。販売業者を窮状に追い込む「いびつな競争」が現存している事実を行政がしっかりと問題視し、是正を求めたのである。今年は、当事者が行動を起こす番だ。1ヵ月でも、1日でも早く、不当な競争環境に別れを告げ、エネルギーミックスの時代に適応していくために、経営の土台をもう一度、固め直さなければならない。
10年後の未来。石油業界は、販売業界は、SSはどうなっているのだろうか。我が社・我がSSはどんな道を歩んでいるのだろうか。5年後、3年後、1年後さえ展望しにくいほどに世の中のスピードは速まっている。だが、未来は一足飛びに訪れるわけではない。きょうがあす、あすが次の日へと続く。あすをより良くするために、きょうを大事にする必要がある。
2014年が石油業界にとって「良い年だった」と回顧できる1年でありたい。内輪もめはもうやめよう。中小企業が圧倒的多数を占める1・8万社、3・6万SSからなる経営の多様性は、少子高齢化社会が求めるニーズや大規模災害への対応にも必ず生きるはずだし、生かすべきだ。