日刊ニュース

2014.01.14 のニュース

危機的状況に陥った小売市場

大型連休として期待された年末年始商戦は、販売減・マージン減のダブルパンチという残念な結果で閉幕した地域が多かった。原油高・製品高の基調が常態化している一方、小売市場ではレギュラー150円割れも増加、周辺店への影響は深刻で、頼みの灯油も厳冬予想に反する推移で振るわず。年初から危機的な状況に直面している。
 最近の仕入れ事情を直近の東京石商調査からみてみると、12月第4週は消費税込みでレギュラー系列平均147円、業転平均141円。系列玉で常識的に考えると、140円台市況ではまったくもって、心もとない。業転玉でも再投資可能なレベルとは思えない。元売と歩調を合わせて先陣を切る一部の系列業者、あるいは業転の価格競争力を生かせるSS以外は、まさに事業存続をも脅かされている。量あれど益なき戦い。なぜ巻き込まれなければならないのか。いくら量販店であったとしても、フォーミュラに基づいた採算レベルとは思えない。一般特約店・販売店の仕入価格とはかけ離れた特価や事後調整の提供が疑われる所以がある。
 東京石商が仕入調査を開始したのは約9年前へと遡るが、その狙いは、特約店・販売店の回答が混在した組合役員への持ち届け価格を聞き、「買っている側」の仕入れ実態をつまびらかにすることと、業転∥流通市場で手当てされている卸玉と捉え、系列内格差および系列業転格差の存在を浮き彫りにして、公正・公平で透明な仕切体系の必要性を問うことにあったと聞く。系列業転格差の近況は6円。7ヵ月連続で5円以上の開きが続いたままだ。これではどうにもならない。
 仮定の数字を入れてみる。月販100㌔㍑SSの1台平均給油量が20㍑とすれば、来店台数は5000台。量を追わず粗利を㍑1円増やすために、1円安く仕入れるか、あるいはお客様に1円高く買っていただくか。粗利を5円増やすために、5円安く仕入れるか、5円高く買っていただくか。台当たりプラス20円×5000台、プラス100円×5000台のご理解を得る努力や労力を元売は本当にわかっているのだろうか。さらに、4月からは消費税増税、温暖化対策税の追加増税が重なる。量をさばくために、売価値下げを促すセールスがいるとも聞いた。同時に元売は、さばき切れない量まで過剰に生産している。これではいつまでたっても負の連鎖が断ち切れない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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