日刊ニュース

2014.01.14 のニュース

供給ルートの解明で市場安定-安値販売に歯止め効果を期待-

 ガソリンの業転問題は、石連、全石連が共同で検討し、流通(供給)証明書の添付を実施することになった。全石連の要望が通り、一歩前進したことになるが、実際に運用された時点での効果を見ないと、目的が達成されたことにはならない。
 この流通証明書の添付は、エネ庁の行政指導(通達)を受けた形となるが、供給ルートを明確化することで公平で透明なガソリン商取引が実証されることを狙ったものである。元売(出荷基地)からSS(特約店以降)までのルートを明解にするものである。大半は特約契約によるルートで元売と特約店(SS)となるため、現行通りの出荷伝票に記載することで対応が可能である。問題は、その先の二、三次卸、大手商社系などを経由して供給されるルートで運用されるかが問題となる。これらの元売系列を離れた後のルートの確認が求められるが、最終のSSまでに供給証明が添付されることで証拠として残ることがポイントとなる。
 この流通証明書の狙いは、一次の特約店、商社系を経て、その後に数段階のルートを経てHC、無印SS、量販店などに供給される業転玉について、その供給ルートを明解にすることで安値販売を実証することにある。その実態を確認することで、適正価格での販売を誘導することを目的としている。実際には仕切価格よりも安値で販売しているケースも多く、不当廉売か、その裏には差別対価が存在するのではないかと公取委に訴えているが、その証拠となる供給元が不明となっているため、末端までの供給証明を求めているもの。
 品質保証という立場から、現在も供給証明は添えてあるが、途中のルートは不明である。そのため安売りに対して周辺業者が不当廉売で公取委に申告しても、仕入価格、供給元が不透明であり、結果的には、不当廉売に該当するケースが殆どないのが実態である。仕入が安い業転を手当てしているため、不当廉売に該当しないことになる。業転価格とその供給元が明らかになれば、安値が是正されることが見込まれる。しかし、安い業転が存在することになっても、その時点での相場であり、これが差別対価に該当するか否かは別問題となる。
 いわゆる業転玉も元売からの出荷となる。元売にルートを求めると、その回答は一次の販売先である特約店、商社までは分かるが、その先のルートは分からないという回答であり、追求しても水掛論で終わっていた。今回の供給証明書の添付では、その先までの供給ルートの解明を求めたものであり、供給ルートが明らかとなれば、いわゆる安値SSの玉は、元売までも遡及することが可能となる。その結果、元売名までが判明するため安値の犯人さがしができ、販売姿勢を是正するための材料(証拠)となり、異常な安値販売がなくなるという三段論法となる。
 しかし、仮に元売名が判明した場合に、その該当元売に対して、適正な販売策を求めることができるのか、安値SSに対しても指導、要請は誰がするのかなど多くの問題も残る。
 供給ルートが判明することになれば安値販売に対しての歯止め措置が講じられることになる。元売の安値(業転)販売が自粛されるのと、業転と仕切価格との価格差が是正される効果を期待している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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