2014.01.16 のニュース
ガソリン転嫁に再取組み ボトム価格157円を狙う~寒波到来、灯油増販で環境整備~
ガソリンの仕切価格は、11日から50銭~70銭/リットルの小幅値上げであったが、ユーザー転嫁に取り組むこととなった。年末最後の12月28日からは1円10銭~2円10銭の値上げとなったがEMGが据え置きとなったこともあり、ユーザー転嫁を見送りとしたことから、今回、未達分を加算して再取組みとなる。年末と正月休みは、増販期待から市況維持となるのが恒例となっているため、年明け第一弾の仕切価格の値上げを受けて、ユーザー転嫁で対応することになった。仕切価格は11月から連続して値上がりとなったため、末端市況は小幅な値上がりで維持されており、ユーザー転嫁の環境は整備されている。減販傾向にあるため、販売業者の足並みが揃うのか心配するむきもあるが、ガソリンは低在庫で推移しており、ここにきて冷え込みも厳しくなっており、灯油も増販が見込まれる状況となってきたため、ガソリンの値上げ環境も整備されてきたようである。
ガソリンは年初の仕切値上げを受けてユーザー転嫁に取り組むことになる。年末年始は市況維持で対応しており、石油情報センターの調査価格(6日現在)は平均158円/リットルの横ばいで推移しているが、ボトム157円を狙うことになる。
仕切価格の値上がりが小幅であるため、ユーザー転嫁を疑問視するむきもあるが、寒波が到来しており、灯油は増販が見込まれるため、ガソリンの需給も締まりそうである。ガソリンは減販傾向を強めているが、灯油が増販となれば、連動して値上がりとなる。
ガソリン市況が低迷したため、元売、販売業者ともマージン減によって業績は悪化しており、コスト割れも限界に達しているため、ここが最後のチャンスとみられている。コスト増の転嫁は大幅に遅れているため、元売の業績は10~12月も赤字が見込まれており、1~3月で挽回することになっている。
4月からは消費税の引き上げもあり、ここで発射台を引き上げないと消費税の転嫁も難しくなると危機感を強めているが、同時に赤字からの脱却も困難となる。販売業者もマージン減が続いているが、ここにきて寒波が到来したことから灯油を中心に需給は締まりそうである。灯油が締まればガソリンにも好影響を与えるものとみられる。
灯油商戦も前半が終わり、後半のヤマ場であるこれからが正念場となるが、寒波到来が追い風となる。灯油が値上がりすれば、ガソリンも値上がりが見込まれる。