日刊ニュース

2014.01.21 のニュース

値上がりすると節約で減販-ガソリン150円、灯油は100円が分岐点-

 ガソリン、灯油などの末端市況が値上がりしているが、ユーザーの節約による減販が心配されている。ガソリンは150円/リットル、灯油は100円以上が分岐点と見られているが、すでにその水準に達している。さらに4月から消費税が3%増税となるため、ガソリンは160円相場となり、減販が懸念される。
 高値感から、ユーザーによるガソリンの限定給油が増加している。一回の給油は、今までは満タンが多かったが、ここにきて何リットルとか、何円までとかと決めて給油するケースが増えており、SSでは手間がかかり、一回の給油での収益も減少している。高値となるとセルフSSでの給油も増加することになり、販売業者間でも競争が激化している。
 石油情報センター調査(14日)によるガソリン価格は、158円50銭/リットルで前週に比べて20銭の小幅上げとなり6週連続の値上がりとなった。四捨五入すると159円となり、前週比で1円の値上がりとなった。
東京は160円、神奈川では157円となっている。この調査は現金価格であるため、実勢価格と比べると3円程度の高値となっており、街道沿いの表示価格は152~153円となっている。これを157円に引き上げることを狙っている。
 調査価格は値上がりしているが小幅であり、実質横ばいの158円が4週間続いている。一連の仕切価格の値上げは、円安を要因としたコスト増によるもので、ユーザー転嫁を難しくしている。値上がりすると減販となる厳しい現実に直面している。一方で、車の販売は増加しているが、軽自動車であり、リットル30キロメートルの省燃費車となっており、これでは増販が見込まれない。
 仕切価格は11月末から連続して値上げとなっているが、ユーザー転嫁は大幅に遅れており、元売、販売業者ともにマージンが減少して業績は悪化している。販売減から業転玉の出回りが多く、末端市況は低迷している。そのため、元売各社は減産で対応しているが、その効果が出るには時間がかかる。
 灯油は、SS店頭価格が100円/リットルとなり、18リットルでは1800円、配達は110円で18リットルが2000円を超えている。配達価格の高値が2200円となっており、これでは割高感から節約することになる。
 それでも本格的な寒波が到来しており、冷え込みから増販が見込まれている。灯油需要は、電気、ガスヘの燃料転換が進み減少が続いている。東日本大震災を機に灯油需要は、安定供給の立場から見直しされたが、基調としては減少が続きそうである。電気、ガスヘの転換は一巡したが、重くて持ち運びが困難であるなど、利便性からみて劣るとのマイナス面が指摘されている。
 経済性の利点からか、北海道、東北などの寒冷地では灯油が消費されているが、都市部での灯油の使用が減少しており、需要の回復は厳しいところである。また、過疎化からSS、灯油を扱う業者が減少しており、供給面での心配もあり、灯油離れも増加している。過疎地対策が課題となっているが、需要減により、採算が合わずSSの撤退が増加しているもので、その対応が求められている。地元自治体での共同運営など過疎地対策が講じられているが、決め手となる方策はない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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