日刊ニュース

2014.01.28 のニュース

同根で張り合う子会社とPB

 2013年。全国平均のガソリン小売価格が155・9円となる中で、151・7円となった最安値県は千葉だった。
 出光とコスモが各22万、極東17・5万、富士14・3万の計4製油所、75・8万、日本の石油生産能力の17%強が県内に立地する。東京湾を挟んた対岸には、川崎・横浜の3製油所、67万の能力も至近にある。首都圏という大市場が控えるだけに、製品タンカー、油槽所、タンクローリーなど、陸海ともに、国内で最も緻密・過密な物流ネットワークが市場を覆っていることだろう。
 このことが最安値の主因であるなら、千葉よりも大きい消費市場であり、67万の生産能力が立地する神奈川も低価格になるはずだが、神奈川は154・0円で安いほうから8番目だ。
 両県の差異を小売市場に探すと、千葉には、1SS当たり月1千㌔㍑を超える平均ガソリン販売量のホームセンター系PBが、複数のSSを展開する事実がある。さらにもう一つ異なるように見えるのが、廉売常連SSの内訳である。
 神奈川でも元売子会社SSの姿はあるが、地場の系列SSやPBSSも混在しており、ある意味ではバランスが保たれているように見える。ところが千葉のそれは地場の系列SSの姿はほとんどなく、ほぼ前記のホームセンターSSを含むPBと子会社SSで占められている。子会社SS対PBの構図だ。
 千葉で廉売を繰り広げる元売子会社SSとは、まず製油所とつながる系列が多いこと、そして最近の傾向として、ホームセンターSSよりも割安な廉売が頻発することなどがあげられるが、精製元売の本体にとっては、なんのことはない。どちらの商流が勝ろうが、同じ製油所から出荷されたガソリンが、表面上は系列卸と業転価格に分けられて卸値付けをされるだけで、精製元売の収益上は、全く同じ効果となる。
 系列のフラッグ・シップである子会社SSとPBが張り合い続ければ、地場の系列SSは駆逐されていくだろう。そうして小売市場では、系列SSに見える子会社とPBが残り、その市場のガソリン卸は、すべて業転見合いとなる。
 地場系列SSの経営努力が、ほとんど報われることがない異次元の商法が、じりじりとその領域を拡大している。

提供元:全国石油商業組合連合会
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