2014.02.03 のニュース
健全なSS小売業の確立へ
総合エネルギー調査会が諮問し、経済産業大臣が指定する「特定地域」では3年間、新規参入と販売能力の増強が禁止され、需給のバランスを改善するために、強制力のあるガソリンや灯油供給量の削減措置が取られる。また、各経産局が設定するガソリンなどの「公定小売価格」の下限を割り込んでいるSS事業者に、国が変更を命令する。経産大臣が指定する「準特定地域」では3年間、新規参入と販売能力の増強は認可制とし、特定地域と同様に、公定小売価格を割り込んでいる事業者に変更を命令する。
27日から、タクシーの供給過剰な地域で、タクシー事業の規制を強化する法律「改正タクシー特別措置法」が施行された。前記はその概要について、SS業向けに勝手にアレンジしたものだ。やや違和感を覚える記述もあろうが、それでも、供給過剰体質の問題解消をはじめ、国が割安なガソリン小売価格の値上げを命令したり、SS過疎地や過当競争地域などへの新規参入や販売能力の増強を制限したりするイメージが湧いてくるだろう。
ガソリン取引の適正化を図る議員立法に向けた自民党・石油流通問題議員連盟の視点は、SSを重要な地域エネルギーインフラとしてとらえ、公正な市場環境を担保しつつ取引の適正化を図り、公正な競争を確保することにある。立法化の目的は「国民生活の安定に資する」と宣言されている。企業努力が報われる市場の整備によって、健全な経営の元でのSSが、より地域密着で、より高齢化社会や過疎地に優しいSS、さらには有事の際でもエネルギーの最後の砦として機能することを促している。議員立法のたたき台が示されたことで、全国各地石商で活発な議論、意見が出ている。
こうした立法を巡る政治と業界の動きとともに、本日31日から始まる総合エネ調では、本当にSS経営基盤の強化が主要テーマとして議論される運びだ。行政の場でもSSの健全経営は重視されており、資源エネルギー庁が元売各社に示した「石油流通証明書」導入ガイドラインに準じた新たなガソリン流通の仕組みが、系列ごとに逐次、実施に移される運びだ。
業種に貴賤はないが、地域社会における役割、地域生活者におけるその必需性から鑑みると、タクシーよりもSSに、タクシーよりもガソリンや灯油のほうに軍配が上がるケースも多いだろう。